いとも簡単に「人格障害だから治りません」と説明する医師が居るのが不思議だ。個々のケースの予後についてどうしてそれほど確信を持って「治らない」と断言できるのだろう?
おそらく正確な答えは「自分には治す方法は分かりません」であって、本人が「治らない」という特質を持っているのではないはずだ。私は自分に治せないものは正直にそう説明する。
しっかりと話を聞いていくと、ある部分はACで、認知の修正が有効であり、またある部分はアスペルガー症候群やADHDのACで、発達障害の診断が有効な治療となる。これはかなりこと細かく(3代前からの家計図とアルバムの振り返り)生活歴を聞くことである程度解明できる。
「治らない」かどうかは、少なくともそれくらい病歴や生活歴を聞いて診断をつけてからでないと(実はつけても)言えないと私は思う。
「薬物療法で比較的簡単に回復するうつ病や統合失調症などのいわゆる”病気”ではないので自分には治せません」という意味のことが多いだろうとは思う。それならそれでそのまま説明して欲しい。家族のショックが大違いであるからだ。
ACはACAやACODAなどの自助会が役に立つことがある。東ちずるさんの本も有効だ。
発達障害で人格障害のように見えている例も少なくない。また躁うつ病のことも多い。ぜひとも人格障害と断定する前に他の可能性を除外する努力をして欲しいと私は思う。
http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/acetc.htm
人格障害、と診断された方もたくさん相談に来られます。治治療不能、とはよく言われるようですね。ご相談にのっているうちにも、人と深く繋がっていくことに極度の‘恐怖’をお感じになられるようですね。‘お医者様’というのは一般に‘権威的’なもののシンボルと捉えている方が多く、劣等感や不安、権威との葛藤がより強い精神疾患と診断されてしまう状態には治療に際して2重の壁があるので、更に大変だろうなぁと感じます。おつかれさまでございます。