7.発達障害自己診断ガイド各論(二次障害および補足)

発達障害と二次障害

例えば結果として引きこもりになった人がいる場合、

ASの場合でも、

「もともと孤立型で引きこもる」という場合と、

「積極奇異型であり本当は人の中に出て行きたいのだが、過去に痛い目にあったために出て行けなくなっている」

という場合が考えられる。

 

発達障害の二次障害には強迫症状

(過剰な手洗いや異常に長時間の入浴、鍵、ガスなどの過度の確認など、)や

聴覚過敏の悪化、視線恐怖などのASらしい症状の他に、

頭痛や腹部症状などの身体症状、二次的なうつ病、躁うつ病、境界性人格障害様の状態、摂食障害やアルコール・薬物依存なども

時折見られるなどがあり、これだけでも十分に不適応や引きこもりの原因になりうる。

 

学童期以前の情報が必要となるのは上記の理由で、

出来るだけ発達障害のもともとの症状を

二次障害の影響を考えないでそのままつかみたいからだ。

早い人は小学校1年ですでに二次障害の影響を受けており、

さかのぼって本人の本来のキャラクターを知るには「5歳」にまで遡らねばならないことがある。

だからここまでの自己診断のいろいろな特徴を考えるときは、

「もともと子供の頃からの自分は?」と考えて、

環境の影響を受けた以降の二次障害を被った可能性がある特徴は

あまり重視しないようにする必要がある。

 

「愛着または執着」と「理解」


私は偏屈者宣言を出した後は「普通になる」ことは断念した。

しかし実は「人がどうでも良くなった」わけではない。

実はADHDACを卒業した今でも「人に理解されたい」強い衝動は残っている。

これとASにみられる人への「愛着または執着」の違いを考えてみた。

 

 ADHDACが求めるのは、「話を聞いてもらうこと」である。

相手が自分を好きかどうか、相手が自分を必要としているかどうかではない。

求めているのは「理解されること」であり、よくよく見ると実は人による「評価」でさえない。

 

対してASの「愛着または執着」には、

「この相手で無ければならない」というかけがえの無さがあり、

また自分本位ではあるが「相手は自分にとって必要」であり、

「相手も自分を同じように愛着または執着することを求める」という特徴がある。

そういう意味では「愛情」に形式が似ている。

 

 ADHDACか受動型ASかを考えるとき、ポイントは

「人への愛着または執着」があるかどうかだ。

ADHDACも人を求めるところはあるが、それは

「理解」「話を聞いてもらうこと」であり、

自分本位であるが愛情に似ているASの「愛着」とははっきり区別できる。

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