ケースは一つ頂いているが、今追加情報の問い合わせ中なので、また手近なケースから書いてみます。
1.仕事の先輩から非公式な趣味のサークルなどのグループの活動に誘われ、参加するようになった。当初は先輩からまめに連絡もあり、非常に親切にしてもらった。
2.ある時自分の都合がつかなくなり、何度か参加を断ったことがあった。
3.その後から誘った先輩の態度が急変し、「裏切り者」という感じでそのグループのほかのメンバーまで巻き込んで激しい情緒的な攻撃がはじまり、仕事など別の場面でも露骨に無視されたり、みんなが参加する会合に自分だけ誘われなかったりというようなことが続いた。
4.攻撃されている本人は「全く意味が分からない」。
という経験をするADHDの人は多い。思春期のクラスでのいじめから、青年期に仕事の場面でも同じようなことが起こる。ADHDには痛手が大きく、その後ADHDのACになったり引きこもりになったりすることもある。
さてこの現象の状況分析である。これは端的に言えば、「オオカミ型人間関係スタイルとネコ型スタイルの衝突」という考え方で説明できることが多い。
群れを作って行動するオオカミは、「仲間は非常に大事にするが、仲間から離れたら敵として攻撃する」と言われる。群れの中では公認の「順位」もあり、そういう秩序を非常に大事にする。多数派の中の「体育会系」と言われる人々はこのオオカミ型の典型で、滅私奉公するような形で集団に帰属することが多い。
ADHDは何でも「一対一で正対して正直にまともに接する」ので、オオカミ型の人に「集団に自分も加わりたいと希望している」と勘違いされることがあり、その結果熱心に勧誘されることになる。
勧誘された結果、何度か参加すると、もうその集団からは「メンバーに加わった」と認定され、特別に親切にされる。
ところがADHDは群れで行動することが無い「ネコ型」であり、自分が気が進まなければ集団に従うことはしない。先輩を立てることも無く、嫌なことは嫌とはっきり言う。
これはほとんどの場合オオカミ型の集団の暗黙のルールに抵触する。オオカミ集団からは当然「裏切り者」という位置付けとなり、激しい感情的な攻撃に遭うことになる。
以上が上記の感情的な反発の「状況分析」だ。私はADHDの人には「最初から体育会系の人からの誘いには注意するように」と助言している。
ASの人の場合は少し違うことになるが、こんな感じで分析してみるので、「意味が分からない」ことがあれば、メールが面倒ならこのスレへのコメントでもケースの提供をお願いします。
この場を借りてすみません。
YANBARU先生、私のメール届いてないでしょうか?
ブログ上コーチングの説明、とても「なるほど!」と感じました。
多数派のしくみを言葉で説明して下さり非常に有り難いです。
『集団』って本当に謎だな~と思います。
集団?に関して少し不思議に思っていることがあります。
「人の悪口を言う心理」です。
私(ADHD)が遭遇した状況は以下のようなものでした。
(長文でまとまりに欠いた文章でしたら申し訳有りません)
1.ある同好会に属する数人(女)が部屋に集まりました。
私は先輩を家に送る予定だったので一緒にいました。
2.同好会について話している間に、その場にいない1人の女性をターゲットにした悪口がはじまりました。皆仲良くやっていると思っていたので、私は驚きました。
3.私はその悪口を言っている人に悪い思いはないですし、いい年した大人が他人の悪口で盛り上がるって不思議だと思いながらずっと黙っていました。
4.「特に関係者でもあるまいにあなたたちが責める理由にならないだろう」というような話も含めて口撃は30分ぐらいは続きました。
社会勉強というか、カルチャーショック感が強かったです。
他人に向かって人の悪口言っても問題は解決しないと思いますし、
本人に言って何かしらの解決に持っていけばよく、
もし本人に言えないなら解決不能として黙っていれば良いと思うので、
結局 他人に人の悪口を言うのは無駄だと思うのですが、
どうして多数派は他人の前で別の人の悪口を言ったりすることがあるのでしょうか。(それともADHDの人でも言うのでしょうか?)
偶然同じ時間帯ですが、もう一人のMimiです。
以前ADDの娘に関して、ある所に相談した時の文章の一部です。
>小学校6年生の時に担任の先生と友達からの酷いいじめがありました。
多分その時の理由は、だらしなっかっり忘れ物が多かったからかと思います。
いじめに関しても、しばらく本人は気が付かなかったようで、酷くなってから初めて気が付いたと言う具合です。
なので、今現在は気にしすぎるくらい友人関係に気を使い。多分そちらにエネルギーを使いすぎて他の事を、を忘れてしまう事が多いのだと思います。
この頃から比べ色々と学習したせいか、今ではどういうタイプの人間と付き合ったら自分にとって楽か、自分なりに分かってきたようです。
狼型、猫型に分けると我が家は全くの猫方です。
うちではよく、農耕民族型と狩猟民族型という言葉を使っています。
特に日本で多い集団行動はとても苦手です。
ADHDはどちらかというと狩猟民族的傾向があるのでしょうか?
これに関して、南米の中でもどちらかといえばスペイン系の血が混ざった人種は狩猟民族的で、元々居る先住民(生き残った)はどちらかというと日本人によく似た性格の農耕民族系が多いようです。
しかし農耕型は普段から集団行動を好むようですが、狩猟型はいざという大事な時に団結するようです。
我が家でも普段バラバラですが何か!という時には何処からともなく集まります(内2名はADHD確定、他未だ不明)。
例のケースと似たようなことは、学校の部活(体育系)にもあるのかなと思いながら拝読しました。
多動はないがADHDだといわれている娘(中1)のケースですが、本人からの言葉による状況把握が、本人にも良くわかっていない部分があって一部曖昧ではありますが、不登校になった原因でもあります。娘がわかる範囲で話していたことを大雑把に書いてみようと思います。
・・・・
娘の所属していた部活(体育系)は他の部活に比べて練習時間が長い。恐らくそれだけで娘は疲れていたと思われる。毎日の練習が終わるのはどの部活よりも遅く、また土日の練習も朝の6時くらいから夕方7時くらいまでとかなり厳しい。
1、ある土曜日の朝、今日は具合が悪いから今日は早く帰ってくる、と言って家を出たが、昼を過ぎても帰ってこない。結局帰ってきたのは夕方7時を過ぎていた。その時は理由を言わなかったが、後から『具合が悪くて帰ろうとすると、友達(同級生何人か)から”もう帰るの?どうして?”と言われて、帰りたくても帰れなかった』。
(このころ娘は、私は楽しく部活がしたいのに、皆が熱くなりすぎていて怖い、と言っていた)
2、そんなことが何度かあったあと、娘は体調を崩すことが多くなり、学校を休むようになった。かかりつけの小児科の先生からは自律神経失調症といわれ、部活は自分のペースで無理無くやるように勧められた。
3、娘もこの当時は『もう少し頑張る』と言っていたので、部活の顧問の先生に私が事情を話し、本人ができる範囲で活動に参加させたい旨を話した。
ところが、『本人のできる範囲で』というのは実際難しかった。
しばらくして、部活での友達関係で悩むようになった。(一部の子から『うざい』などと言われたりした。無視されたりもあった。また、一緒にお弁当を食べる友達がいなくて辛かったと言っていた。)
4、夏休み過ぎて、部活で『一番仲がいい』と思っていた友達に悩みを打ち明けた。友達はそのときはよく話をきいてくれたという。ところが数日経って、その友達も含めた部活の仲間(同級生)ほぼ全員から無視されるだけでなく、同じ部活以外の同級生何人から嫌がらせをされるようになった。
(4、については、後で部活の顧問→娘の担任を通して聞いた話では『同級生たちは別に無視していたのではない、またいじめという気持ちはなく、(娘の)動きが鈍いのでいろいろ注意してあげただけ』という話ではあった。)
このような経過で、娘は部活をやめました。私が疑問なのは、先生は『いじめではない』と言っていたけど、生徒たちは『本当にいじめているつもりは無かったのか??』・・・ということです。また生徒たちと娘の間で具体的にどんなやりとりがあったかなどは、今でも娘は話したがらない。ただ『うざいとか何人から言われた』と。私もあまり突っ込んでは聞けず、保留にしたままです。
実は私自身も、似たような経験はしました。学校で、職場で・・・公園ママ友関係でも。
いわゆる群れたがる人が大事なのは『集団という場』であり『個』ではないのですね。何度か痛い目に逢うたびに、そういうことがわかってきた今は『自分からは極力集団には近寄らない』ようにしてます。だいたいが、一度集団に入ったら、滅私奉公になるのはわかっているから。
娘も、『集団行動が苦手なネコ型人間』のようです。仲の良い友達であっても、必要以上に相手に合わせるということをしないで、マイペースです。遊びに来た友達に『部屋が散らかっているから今、(部屋に)入るのはダメ』なんて、普通あんまり言わないような気がするのですが、どうなんでしょう。それで気を悪くしてない様子の娘の友達も、どことなく『天然系』で合っているならいいんですが。