人格障害と呼ぶ前に③ -- 躁うつ病でないことを確認する。
私が研修医の頃、反社会性人格障害と言われた人が、炭酸リチウムを服用してびっくりするほど普通の人に変わったのを目撃したことがある。私の指導医は「躁うつ病だった。もっと早くリチウムを使ってあげるべきだった」と述懐していた。
躁うつ病の躁状態は、頭が変によく働いて、相手の弱いところを突いたり気分の変動激しく攻撃的になったりするので、一時的には人格障害と区別が難しい場合がある。
躁うつ病を疑いさえすれば、大きな気分の変動の波がある病歴などからも区別は容易だが、何よりも炭酸リチウムやバルプロン酸、カルバマゼピンなどの感情調整薬を「十分量、十分期間(効く服用量に達してから2ヶ月程度)」試してみれば分かる。
人格障害云々の話は、上の薬剤調整が終わって、無効だと分かった後だと私は考えている。
炭酸リチウムは、不思議だが認知を改善する(自分を客観的に見られるようになる)作用があり、実は本当の人格障害でもアスペルガー症候群でも効くのだが、感情調整薬が効けば、治療的診断で「躁うつ病だった」ということにしてもいいと私は思う。
http://www.geocities.jp/yanbaru5555/widetable1-1.htm
チェックリストで自己判断して、自分で修正する事はできますか?修正するにあたってどこを気をつければ良いですか。
最後まで普通の人で生きたいのです。
ユーコ様
このスレとは離れますが、大事なことはまず自分の認知と行動のパターンと、「多数派」のパターンとの違いについて具体的に理解することです。本でも、家族との対話でもいいので、「どこがどんな風に違うか」についてのお互いの理解を深めましょう。その後に修正の道が見えてきます。(理解が成り立てば実は「修正」の中身が変わってくるのですが)
初めまして。
突然のコメントで長文、失礼いたします。
現在異動後の職場に順応できなかったことから?始まったうつ病の治療中です。
しかし、カウンセラーさんは根本にAD/HDによる自尊心の低さや認知(自他の)の歪みがあると判断、
AD/HDやアスペルガー、各種発達遅滞などを専門に見ている医師のところに行ったところ
AD/HDの傾向もあるがむしろアスペルガー寄り、と言われました。
(まだ心理試験は受けていないので何とも言えませんが)
ちなみに通常鬱症状を診察していただいている医師には
AD/HDは子供のものであり、気分変調障害と高機能の?人格障害だと言われました。
実際のところAD/HDとアスペルガーと人格障害や気分変調性障害といった病名を付けることにどのような意味があるのでしょうか?
私自身は勉強(計算、漢字書き取りは除く)、芸術系の分野は総じて優秀だったものの
忘れ物女王、手先不器用、ひどい運動音痴(特に集団的な動きをともなったうもの、また改善指導されると却って動きがギクシャクしてできていたことまでできなくなるという特徴や左右認知にも多少問題ある?)
好きなことには非常に集中する一方で、やるべきでも興味が持てないモノには努力が続かず根性無しと言われていること
場の雰囲気が読めない、ルールや状況が急に変わる(もしくは状況が分からなくなる)とパニックをおこす、いじめられた結果自分を含めた人間世界全体への嫌悪感がある一方で人なつこく、人間観察が好き、
などからAD/HDの結果人格障害かなにかになった者で、
アスペルガーでは無いと思っているのですが・・・
上記のような特徴をある程度把握してさえいれば「認知療法」だの「SST」だので社会適応性が上がるので鬱治療以外の投薬は不要なのか、
それともどれかであればそれ用の薬による「治療」が必要なものなのか。
その辺の違い・分類する意味を教えて下さい。
うさこ様
あなたのご質問は非常に大事なポイントです。
1.まずあなたがADHDやASなどの発達障害であれば、「結局自分が何であるか」はそれだけで非常に重要ではないですか?
自分自身のアイデンティティー、どのマイノリティーに属するのかはケアの前に重要なことです。だからAS、ADHD、また私が「ADHDのAC」と呼ぶものなどのそれぞれの特徴のあなた自身の理解をまず深めましょう。
2.次に「ADHDは子供の障害」というのは間違いで、今では成人発達障害(成人ASや成人ADHD)という概念は当たり前と考えてください。
3.どんな名前がついても、「人格障害」という診断からは私の考えでは前向きの治療に役に立つ知恵は生まれてきません。「AC(アダルトチルドレン)」ならばまだ考えようもあります。
4.ADHDにももともと気分の変動があり、経過は一見躁うつ病に似ています。ASは実際に躁うつ病とよく合併します。
だから躁うつ病の薬物治療は続ける必要はあると思いますが、それに加えて、「コーチング」が有効です。
その際に、ASの場合とADHDの場合は、人への愛着の問題でコーチングの内容に違いが出てきます。要は客観的な意識的な状況分析のトレーニングですが、ASの場合感情的な部分が大きく、ただ「現実的、合理的」で行けるADHDとは微妙に違っています。
こんなお答えでよろしいでしょうか?
YANBARU先生、
我ながら分かりにくいと思うような文章への回答ありがとうございます。
AD/HDとアスペルガーについての認識が
私の中で一部逆転していました。
私は人間について愛憎どちらも激しい方なので
いわゆる「自閉症」的他者への無関心とはほど遠いとおもっていましたが
むしろアスペルガーのほうがAD/HDより人間への愛着が強く、整理し辛いのでしょうか?
うさこさん、横レス失礼します。
私はアスペルガーとADHDの両方の診断を持つものですが、アスペルガーと診断された方は、人への愛着行動があり過ぎる場合となさ過ぎる場合があり、両極端です。
感情表現も、表に出過ぎる方と全く出ない方もあって両極端です。
自説ですが、親が感情を優先するタイプか事実を優先するタイプかによって、育児の内容が善悪優先もしくは対人関係優先のどちらかになり、前者は利害優先、後者は感情優先になるのではないかと思っています。
個人的には、アスペルガーの場合は他人の感情を瞬時にかつ正確に読み取ることができないので、善悪優先で育てた方が大きな失敗をしにくくなるのではないかと考えています。