発達障害はASやADHDという質的な違いの他に、特に非言語的な状況察知能力が高いかどうかで現実への適応の度合いが大きく異なってくる。
おもしろいのは、意外なことなのだが、「空気が読めない(KYの)不器用な発達障害のほうが結果的には不適応が少ない」という現象である。
実際ノビ太と呼ばれるKYのADHDと、「オレ流」のKYなASはある意味非常に似ている。現実の対人関係などへの不適応は「空気が読めない」ことが中心となり、その意味では多数派からの理解も比較的容易で、特化した職人芸、研究職や「オタク」と呼ばれるスタイルで生きて行けるので、環境によっては発達障害の診断の必要性すらないことも多いだろう。
特に高機能の場合には、環境に恵まれれば「天才」と呼ばれる経過をたどる人も居る。
では逆に状況察知能力のある発達障害はどうなるか? ADHDの場合には「ジャイアン型」、ASの場合には受動型または積極奇異型と呼ばれる。
①ジャイアン型の場合、生後2、3ヶ月頃から、「周囲の人からの自分への注目」を感じ、乳幼児期からみんなの注目を要求もする。
その後じゃんけんで負けて大泣きしたり、小さい頃に年上の兄姉に「上から目線」で接し、大人になっても非を認めることが出来なかったりする。
人を恐れないがお化けや鬼、暗がりを怖がり、不安が強く眠りも浅い。
こういう子供が、親との関係を初めとする環境によって、「親の顔色を伺う依存型」への道や、「見た目」にこだわり思春期以降に摂食障害になったりする。
要は「一番になるかみんなの注目を集め続けなければならない」ということになり、その能力を発達させていく。
それが過剰であるために、結局出来上がった形は、「自己愛性人格障害」や「演技性人格障害」などに近いものになる。他方で二次障害の中で、反抗挑戦性障害、行為障害を経て「反社会性人格障害」になるケースも居るだろう。
他方KYのADHDは周囲からの注目もそれほど感じることなく、2歳近くまではほとんど寝ていて、一度眠ったら深く眠って起きない。初めから自立していて、何でも自分でやろうとする。
「人からどう見られるか?」は思春期まではほとんど自覚せず、自分の好きなものに「博士」然と集中する。
分からないから、言語的に考え、説明される良い環境の中では必然的に合理的思考が育つ。
合理的だから他者とのコミュニケーションも言語的に努力すればかなり出来るようになる。
合理的に自分を認識していれば、必要に応じて部分的な修正も可能となる。
「基本原理」「哲学」さえきちんと持ち得れば、「オタク」としての本人の人生としてはそれほど不幸でもない。
「分からないから、感じないから注目や一番を取りに行かなくてよい」ということであるのだ。
やんばる先生こんにちは。
今回の記事に関係のない内容でお尋ねしたい事があります。
私はADHDですが、睡眠障害もあります。
診断を受けたのは3年ほど前ですが、うつ病も併発しており一年半ほどリタリンとルボックス、レキソタン、べゲタミン、その後にリタリン、デジレル、ガスモチン、トレドミンに変わりました。診断を受けるずっと前から、感情の揺れ幅が大きくなった後、たとえば子供か危険な事をしてハラハラした後に叱ったりといった後に、ふらふらと寝てしまう事がありました。
うつを患ってからはヒステリー神経症のようなものかと考えていましたが、ナルコレプシーの症状を読むといくつか当てはまる事があります。
うつの既往があり、ADHDの睡眠障害と言えば、先入観を持たれてきちんと診てもらえないのではないかと思います。
20年前に受けた健康診断で、一度きちんと検査を受けなさいと言われた不整脈がありますが(脈が飛びます)先日、今までに出産も経験し仕事もしているのなら大丈夫と看護師さんに言われまして、心電図などの検査は受けませんでした。
睡眠障害がある場合にナルコレプシーも併発しているという事はあるでしょうか。
また、検査の際にADHDと睡眠障害、うつの既往がある場合、ナルコレプシーの検査の意味はあるでしょうか。
これを読んでまたまた肝に銘じようと思いました。いつもありがとうございます。
息子がとんでもないKYでADHDで確かに2歳まで寝ていて、算数が得意、大人なみの知識があるものがあるオタク君ですが、算数と理解がいできないのと、際限なくしゃべるのでつい朝から晩まで叱ってしまいます。
私の父親が高学歴な理系研究者でよく似ていますが、父は算数だけでなく全般的にできたものの、息子は理系科目以外はできないこともあって、責めて人間関係くらい・・としった激励してしまいます。KYなのでお友達と約束をするということができません。
KYであることに腹が立って仕方がないのですが・・・私もそうだったし仕方ないのかなと思いました。
クラスで起きるもめ事やケンカに巻き込まれないのがふしぎでしたが、今日の記事を読み、なるほどと思いました。KYにもいいことがあったのですね。
またまた参考になりました。いつもありがとうございます。
この記事を読んで「あ、次男の事だ」と思いました。
夫似の長男がジャイアン、それに引き換え、、、次男はなんて手のかからない子なのぉ?と。まさに先生の説明どおり、赤ん坊の頃からジャイアン兄に暴力的に触られてもすやすや眠りつづけ、自立志向で、言葉も早く、でもマイペースでおっとりしていて、大人顔負けの知識と洞察力、、、。きちんとしていて小奇麗。KYなので小学3年生にもなるのに友達と約束をしてこず、兄の友達が来ると、その中のウマが合う子と遊んでいます。学校は大嫌いで理由は勉強と集団行動と暴力的な子が嫌だから、、、だそうで「学校行きたくない」と念仏のように唱えています。大人の自伝を読み、「僕も自分ルールで生きようかな」と。
この子と二人だったらどんなに穏やかで小奇麗で、楽しい生活だろう、と思います。ちなみに依存型ジャイアン夫も、次男が大好きで、舐めるように可愛がっては、次男に嫌われています。ププ。気の毒に。