もともと私はリタリンという薬自体が非常に使いにくいと考えていたため、リタリン時代は注意欠陥の症状に3例くらいしか処方はしていなかった。
それが、コンサータを処方するようになってからは、非常に劇的な効果を目の当たりにして、最近は子供のケースでは注意欠陥があれば、とりあえず試してみましょうと勧める感じだ。
私は実は注意欠陥(とその結果としての多動)を伴うASにも、重複診断としてコンサータを処方している。注意欠陥には実際有効で、ただでさえ過敏なASの感性を撹乱するランダムな刺激をある程度交通整理できるので、「ASとしても落ち着く」ということになる。
問題は成人例への適応だ。わざわざ私は東京まで日帰り出張で研修を受けに行ったのだが、その場で質問したが結局成人に処方してよいのかどうかについてははっきりした答えは得られなかった。
そういうわけで最近私は成人ADHD例には「限定3回処方」ということを試みている。
臨時の使用として、限定3回(2週間当たり)の処方で、「脳の働きの違いを確認してもらう」ことが目的だ。
例えば、KYが重症で、「無視されても感じない」ところまで行っているケースは、空気は読めるようにならなくても、周囲の人の態度に何か意味があるというところまで落ち着いて観察できれば、自分の障害について理解が深まるだろう。
これまで成人ケースから私が得た証言は、「大事な情報と大事でない情報が最初から分かれて入ってくる」、「集まりのなかでつまらない話を聞いても無駄口の失言をしないですんだ」、「大時化の海が凪になった」など、主に「不必要な刺激に過剰に反応しなくなった」という効果を確認した。
つまり、限定的な使用で、本人も、周囲の人も、注意欠陥の本質について薬と服用しているときと服用していないときの違いを見て「はっきり分かる」という効果があるのだ。
ただ私は現段階では恒常的な使用については、「何処でやめるか」という依存性の問題と、躁状態や「依存症的な気持ちよさ」との違いの鑑別などの大きな問題について社会的なコンセンサスが必要であろうと思う。
ASのKYさについて、以前、誤解した書き込みをしてすみませんでした。
無視されてるけど話したいから話す→自分が嫌われてるから無視するのだろうと気付く→一応自重するようになる
という経過は、私も辿りました。耳が痛いです。
遅い思春期を消化しつつ、実際の場面ではなかなか省みられません。
狭まりがちな視野を拡げる処方に未だ出会えていないので、コンサータには夢を感じます。
>わざわざ私は東京まで日帰り出張で研修を受けに行ったのだが、その場で質問したが結局成人に処方してよいのかどうかについてははっきりした答えは得られなかった。
ヤンバル先生は、行動を起こしてくださいました。
ありがとうございました。
今の環境では、医師の誰が何の行動をしてくださってるのかが全然見えません。
誰が疑問を持って学会などで意見や質問をしてくれてるのか。
誰が医師の横繋がりで意見交換の話し合いなどをしてくれてるのか。
誰が、横で繋がりあえない患者の声をまとめて、マスコミや医学界に運んでくれているのか。
誰が発達障害全般から手を引いて我関せずを決め込んでいるのか。
誰がリタリンに替わる治療の可能性を探しているのか。
医師個人が、何を考え、何をどうしようという意志を持っているのかが、患者には何も見えません。
お聞きしても、頭が悪くてよく分かりませんでした。
欠けたリタリンの効き目を補う手だてを考えてくれるのか、くれないのか、どっちだと知りたいのです。
私が我慢できないから、周りも本心は我慢できないからあちこちへ足を運んだのです。
職場が我慢している私を本当は受け入れたくないから、もっともっと使える職員にならないと本当は許せないから、これから転勤したらもっと許されなくなって行くし、私には自分をベストを尽くして管理する義務があるから、丸投げしたくないから行動していました。
「無い」だからどうしろと言うのですかと、私は行くところ行くところで問うていたのです。
私が変わっても、脳内で都合良くリタリン無しを正当化して自分を慰めても、社会は私中心に回っているわけではありません。リタリンの効き目が無いまま外へ出ることが、私の落ち度になることは変わりません。
私はリタリンを飲まないという落ち度を作りました。
ミスが増えたら人に謝るのは私なのです。私は謝り続け、これからも心の底で怒り続けます。
先生は意志を行動で表してくださいました。これが知りたいのです。
初めまして、突然の書き込み失礼します。
夫と息子二人にADHDがあり、投薬治療の是非をめぐってこちらにたどり着きました。
ストラテラは副作用ばかりが目立ち、コンサータは何の変化もみられないとがっかりしていました。
丁度私が若年性の更年期障害になり、記憶障害が酷いためこっそり子どものコンサータを飲んでみました。
この薬覚醒剤のように「劇的に効く!」という実感はないのですが、記憶障害が出る前の「何だか普通に考えられる」くらいに頭がスッキリしました。
大人にも痴呆の始まった人間にも使えるんじゃないかと思います。