ADHD関連

依存を治す必要があるか?

 受動型ASや依存型ジャイアンは脳の働きからして依存的で、「あなた自身の考えは?」と問われる場面では困ることになる。

 そもそも依存自体はそれだけでは治療の対象にはならない。例えばジャイアンがパーフェクトASの愛着の対象となっていて、かつ尊敬し依存して、表面上素直に従えば、非常にうまくいくはずだ。依存型ジャイアンと仕切り屋のジャイアンも同様だ。

 ただ現実には依存の問題自体が身体症状やうつ状態などの形を取って表面化し、ケアしなければならない事態になることは多い。

 そのひとつは、「子供に対する責任」だ。子供の誕生自体で愛着の一番の対象の立場が脅かされたり、子供が学童期や思春期になりいじめや不登校などの不利な問題が生じた場合、依存している側にも世間からは当然「親の責任」を問われることになる。

 子供のほうもジャイアンであったりASであったりすることが多いので、両親の夫婦関係が一方的な依存関係であると、「子供との競合」が起こったりすることもあるだろう。

 依存型ジャイアンも受動型ASも、(学校から注意されるなど)不利なことがあると途端に「依存しているパートナーの責任を追及する」という行動の特徴があるために、それまで安定していたパートナーとの関係は動揺する。

 しかしパートナーがジャイアンの場合大きな事を言う割には実は「責任の取れない脳」であったし、積極奇異型ASの場合にはこだわりを優先して話を聞かなかったりする。

 思春期の子供のことで、依存していたパートナーが、社会的に責任回避をしたりすると、途端に不安になり、「何で自分だけが譲歩して服従し続けるか?」という根本的な自己突っ込みが復活することになる。

 だから依存を続けたければ、「親にならない」こと、「自分の脳の特徴を理解して、不安になっても相手を責めないようにする」ことなどを意識して努力すれば破綻を来たさないようにすることも出来るだろう。

 ジャイアンの場合には、余程の代償が無いと服従し続けるのは困難だ。そういう意味では、依存が継続するのは子供のころだけで、思春期以降は自覚されなければ潜在的な苛立ちとして身体症状などに現れる状態が続くということになるだろう。結局どこかで自立するしかないと私は思う。


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コメント

    • まーちんAS(AC含むかも)
    • 2008年 3月 18日

    できれば、依存することから解放されたいです。
    何度も試みてきたけど、結局依存からは逃れられないというか、依存しない生き方が私には見えないみたいです(TT)

    • M
    • 2008年 3月 18日

    私自身が何者かはわかりませんが、どうしてもACに見える人が寄ってきて依存、また逆に勝手に過剰に面倒を見られて私を乗っ取られる、恐怖を感じて逆らうまたは引いて癇癪を起こされる。脳から直接出て来るような夢に似た断片的な理想的、非論理的なもやもやサインを意味不明な方法でわかってほしい、やってほしい、とばかりにまわりをうろつかれる。という経験が多いです。
    あんまり多いので、私自身にも理由があるんだろうなとは思いますが。
    私が相手に興味がなければ何をされても構わないのですが、魅力的な方でこのような場合自分も依存されるだけでは疲れるし、葛藤します。甘えを言葉にしてもらった方がまだ楽。それを言語化できない脳みそなんだな、と解釈します。
    AC的な方は頭が良く素直で非常に魅力的、秀でた才能をお持ちの方が多いので、もったいない。共依存でない良いお付き合いができると良いのにと考えます。

    • エイト
    • 2008年 3月 18日

    過去に依存型ジャイアンの典型のような人が知り合いにいました。
    本人はACは認めていました。計算高く金銭的に依存する相手には表面上従っていましたが、心の隙間を埋めるためにいつも何かに(アルコール、ギャンブル、買い物)依存していました。すぐにバレる言い訳もよくするし、相手の弱みには凄く敏感です(天性の才能かと思うくらい)。非常に場当たり的で計画性がなく、指摘すると逆切れして話にならず私は離れました。
    でも寂しいのは耐え切れないらしく、自分が困っているのに友人にお金を貸してしまったり、なにかと世話をやくので本末転倒です。今は実家が助けているようですが、助ける人が周囲にいるうちは自覚しないと思います。
    私からみると(余計なお世話かもしれませんが)通院してカウンセリングを受けるべきだと思うのですが、そういう発想はないみたいです。かといって自立できるわけでなく・・・
    せめてYANBARU先生のブログを参考にして気付いてほしい・・・

    • M
    • 2008年 3月 18日

    ACはASの間違いです。ごめんなさい。

    • mario (AS)
    • 2008年 3月 19日

    私はいつも依存される側ですね。依存してもらう事で、自分の価値が安定し、こちらも心地よい状態でいられるのだから、共依存?逆にそうじゃない恋愛の形を余り想像できない。
    今でもADHD系の方々が身の回りに集まって来て「依存させて!」って言われてる印象があったり…(あぁ、勘違い男の戯言です)
    >積極奇異型ASの場合にはこだわりを優先して話を聞かなかったりする。
    問題はこれですね。これまでは、解決策の提示・事実の確認・それはそんなもんでしょ・それは我慢するしかないでしょ てな感じで対応してた。自分はそれで何とか出来るから…
    これから先、相手の感情に配慮した対応が出来れば、自分の人生も何かが変わるのかな?嘘(と自分が感じる事)をどの位我慢できるかがポイントになりそうです。
    ダメな事はダメ、どうしようもない事はどうしようもない、でもその感情だけは受け止めて、共感してあげて、抱きしめてあげる。育児書の受け売りですが、子育てについてはこれが実に上手く行ってます。大人にも使えるかな~
    依存じゃない関係ってのはやっぱり分かりません。人は、カップルは、夫婦は、依存以外の何で関係を継続させてる?

    • 月の草
    • 2008年 3月 19日

    >依存していたパートナーが、社会的に責任回避
    これは鬱陶しいですね。日々ことあるごとに辛辣な批判をしているくせに、自分の子供の環境についてどうかしなければならなくなった時、及び腰どころか「わしゃ知らん」です。あんたいったいなんなのよ、えばれるのは女子供の前だけか?と、責め、そのような考え方は父親にしてあるまじき姿、即刻改めるようにと諭してみたり、余計なことばかりしてきました……
    >こだわりを優先して話を聞かない
    例1)積極奇異と思われる知人:「自分が気持のいい場所で事業を行う。でも、その場所は気持のいい場所だけに細部に渡って気持ちよく整備されている。自分の事業を持ち込むことで、環境が汚染されることに気付かず、周囲の労力を踏みにじってカンカンに怒らせて村八分。嫌がらせ多数受けて転々とする羽目に」等。彼を法律で縛ることも不可能なようです。ご自身は真面目にやってるだけなのに、という心持ちらしく。自分のルールを優先させるために、周りに融通を利かせろと迫る。
    例2)逆に、夫(受動型?)は法律をはじめ周辺ルールには敏感で、それを破るのはご法度らしく、常に死守。心ではいいと思ってないことも、対外的には保身に回って何もしないように見える。二面性というか。そのため、彼の場合こだわりを優先して人の話を聞かないのは、家の中だけということになるのでしょうか。
    困るのは、たとえば互いに関わりのある問題の解決や、なにかのプランを検討する時です。拘りが優先された検討結果は、彼にとっては良いものでも、彼以外にとって利益が薄い等。小さな約束で譲歩しただけなら、少々の不便さを強いられるだけで済むけど、度重なると行く手を阻まれ、封じ込められる気がしてきます。これが私の息苦しさの源のように思います。
    積極奇異と受動型では、起す軋轢の規模が違うのでしょうか。家の中から転じて環境問題。産廃業者。私は、下手したら自分の中にそれを許してしまいそうな基準の緩さというようなものがあり。エコに過集中でもして真剣に考えなければ、やってしまいそうな不味いことがたくさんあります。受動型ASの夫は法律で縛れるけど、私は法律で縛られないというか(私は積極奇異型AS?)。
    はっ!!と思った時は既に手遅れ____それが怖いですね。日々夢でうなされてる気がします(~~)

    • 砂子
    • 2008年 3月 19日

    元夫が発達障害だと確信してから、はたしてそれはADHD?それともAS?と考えています。ジャイアンな時とこだわり・過集中・博士タイプな時が合わさっているので、彼を理解するためにどのタイプに当てはめて足がかりにしたらいいのか、まだまだわかっていません。
    そういえば、私が離婚したいと話した時の元夫の返事が忘れられません。『そんなの、困る。俺どうしたらいいの?』
    好きだから別れるのは嫌だという意味ではないんですよね、困るというのは。
    DV・モラハラと日常会話が通じないことが主な原因で離婚を望んだのですが、生活費をまったくいれずに自分の部屋にこもって趣味三昧の彼に(私は衣食住の面倒見てお小遣いやって、あなたは遊んでばかり。私はあなたの保護者じゃない!)と不満を感じたのがはじまりでした。
    私は依存されていたということなのでしょうか。
    私には家計をまかなえる職があって、それは当時わりともてはやされた、外からは一見格好よく見えるカタカナ系の仕事でした。このことを元夫は自分の友だちに自慢するのです。純粋に私を認めてくれているというより、こんなに素晴らしい女性が俺の奥さんなんだ~というニュアンスで。
    これ、「ステータス(岩山)にすがりつく」構造に似ていますね。
    『子どもは面倒だからいらない。生まれていきなり5歳くらいになるんだったらいいよ。そしたら○○(元夫の趣味)に連れて行って遊べるし』という名言もありました。
    「親にならないこと」をちゃんとわかっているとは天晴れ。身体症状もありませんし。でも、妻にむかって笑いながらけろっと一方的にこんなこと言ったら、夫婦間に波風が立つなんて思いもしないあたり、手ごわいです。
    依存の観点から考えると、彼は依存型ジャイアンにも思えますし、一方で「郭公の雛」なのかもしれないとも思いはじめました。難しいです。これからも、勉強をつづけます。

    • you
    • 2008年 3月 19日

    砂子さんの元夫氏と、私の現夫(挙児のところでコメントしました)は、似ている部分があると思います。
    うちの夫は依存型ジャイアンかもしれません。彼の「名言」としては『ぼくは積極的に子どもがほしいとは思わない。君がどうしてもと言うならまあ協力するけど』そしていざ生まれると『ぼくは、長男の上の方、だからさ。親ってつもりはないんだー、○○(子の名前)の兄弟って感じかな、ふたりまとめて面倒見てよ』『父親としての責任は、金稼いでくることだけで十分だろ』『君と○○(息子)が一心同体のようにしてるのをみるとイライラする』
    ともかく、私が彼に夫として父親として共に同じ高さで協力して子育てをしてほしい旨を伝えるたび、明快にイヤだと逃げていて、なんでこんな夫の子どもを産んでしまったんだろうと悩む毎日。このブログを読んでめちゃくちゃ膝を打ちました。
    そして「親にならないこと」を追求し続けた彼は、一回り近く年上の女性との関係へ逃避し、『彼女はお前と違って、ヨシヨシしてくれて甘えさせてくれるから』だとのこと。
    もう、全部のピースがビンゴに依存ジャイアンに当てはまって気持ちいいですー。
    やんばる先生にお尋ねしたいのは、多数派からすれば自己本位の勝手三昧・モラハラを尽くして浮気の正当化を行ってきた彼を、もしまた受け入れたとしたら、彼の歪みを増長するだけで彼の人生にとっては良くないのではないか・・・あえて岩山から突き落とした方がよいのか、という点です。

    • らーら
    • 2008年 3月 21日

     元夫、現夫のお話しなど…、読ませていただき、言葉にならない思いと言いますか、泣きそうになりました(;-;)
    >「親にならない」
     このYANBARU先生の言葉が、どれほど重みがある言葉なのかと考えると…、わたしにはずっしりと響きました。
     
     努力されている方達もたくさんいる一方で、わたしの周りでは、自分を正当化しているような発言ばかりするASやADHDの人がたくさんいます。
     
     ASやADHDの方達に、こういう思いが本当に理解されることを願わずにはいられません。

    • パパイヤ
    • 2008年 3月 23日

    そうですねー。ヤツ(元夫)が親になるのは無理だろうと思って子供作るのは躊躇してたんだけど、それでもやっぱり子供ほしかったんで作ってしまいました。(自分は育てられる自信があった。でも二人で共同作業でだと自信がなかった)
    そもそも結婚もするつもりもなかったんだけど。これはこれ、それはそれ、衝動的、魔が差した、周囲のアドバイスを真に受ける性格、としかいいようがないです。これからは、まめに自分を見つめなおす時間を作って、計画的に、理性で物事を進めたいです。
    ほんと、子供に関して責任は取らなくて世話も何にもしなくて何でも私のせいにされましたが、あまりにも予想通りで躊躇なく別れられてよかったかなーと思います。別れる前は毎日、将来が不安で不安でしょうがなかったけど、自立したら自分で決めて実行すればいいだけなので、不安もないし、精神的に楽になりました。目標を決めて実行していくのは楽しいです。お金のことは体さえ壊さなければなんとでもしようがあるし。
    むこうは私のことをどうしようもないやつだと思ってたみたいなのでが一人でこんなに何でもできるとは思ってなかったでしょうねー。

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