AS(アスペルガー)関連

ASの幻聴

 ASの人で明らかに激しい幻聴を訴える人がいて、こういうケースを「統合失調症の合併」と考えるべきなのか否かは、治療法とも関連して重要な問題だ。

 私もそれほど多くの症例を経験しているわけではないので、一般的に言えるかどうかは分からないが、あるイメージは持っている。

 一つの特徴は、「(安心できる人が近くにいるなどの)状況によって幻聴が変動する」という特徴があることだ。ここが統合失調症とは少し異なる。

 「ASだけで説明できる幻聴」とは

①基本に受動型AS特有の「影響されやすさ」や積極奇異でも二次障害によるACがある場合で、

②現実の状況が明らかに自信を持てないような立場(自己評価が下がったり自己突っ込みがある)である場合に、

③「過去の非常に嫌な気分が頭から消えない」というAS的な特徴から、

④最初に特定の嫌な気分がよみがえって、

⑤その気分を過去に体験した場面の声や音が気分に付随してありありと再体験される。

 というプロセスで説明できるように思う。

と考えれば、抗精神病薬(リスパダールやエビリファイ、ジプレキサなど統合失調症の薬)があまり効かないことも説明でき、また、 リーマスやレスリンなどの抗うつ薬、感情調整薬で改善することも説明が出来る。

 ジプレキサは不安も取るので、効きはするが、副作用も多く、正常な認知を抑える作用があるので、私はあまり使いたくない。


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コメント

    • さーこ(AS)
    • 2008年 7月 14日

    幻聴…そう言えば、私個人としては、ありました。
    >「(安心できる人が近くにいるなどの)状況によって幻聴が変動する」
    確かに、状況によって幻聴が聞こえたり聞こえなかったり、変動していましたね。当時、抗うつ剤と安定剤と頭痛薬のお薬を出してもらっていたクリニックのお医者様には、結局幻聴のことは告げられずに、自分自身で耐えきっていました。
    まあ、自分のACに気づいて回復しつつある今の状況では、もうすっかり幻聴もなくなっているので、ほぼ忘れかけていた事ですけど。
    そして、幻聴のあった当時、「これって幻聴なのか?そうでないのか?」という自己突っ込みがなぜか発生してしまい、いちいち困っていたというエピソードが、そういえばありました。
    おそらくは、状況によって幻聴が聞こえたり聞こえなかったりするので、自分の中でうまく説明が付けられなくて、自己突っ込みしながら混乱していたのだと思います。

    • あおがえる
    • 2008年 7月 14日

    音叉の音が響く幻聴がありました。
    楽器製作において状況が不安定だと起こっていました。
    今は製作法など大分確立してきたので、ありませんが模索している時期は多かったです。

    • 文緒
    • 2008年 7月 17日

    今回初めてコメントします、不適切であれば削除して下さい。
    去年PDDNOSの診断を受けた30歳代の女です。
    あおがえるさんと同様、物心ついた頃から今現在でも音叉状の幻聴があります。
    割と最近まで他の人には「擬態語」で「しーん」と聞こえているのだと思ってました。
    不安が強くなると一度聞いた音や人の声の短いフレーズが、針飛びしたレコードのように繰り返し頭の中で再生される事もあります。
    どちらも幻視は伴いません。
    ヘッドフォンで音量上げて音楽を聴くことで対処しています。
    現在は軽い睡眠薬と安定剤の頓服のみです。
    私は、父に軽度の性的虐待・母は過干渉、学校ではいじめを受けてきました。
    ①②③④⑤のプロセスは子供の頃からよくありました。
    大学時代パニックや過呼吸で中退、診察を受けその時摂食障害やACを指摘されました。
    自己セラピー本を読み事実関係の振り返りを行い、訳の分からなさや不安は軽減されました。
    その後発達障害を知りPDD診断を受けた結果③④⑤の頻度は低くなりました。
    ・快・不快に拘わらず、印象に残る過去の体験が、
    ・その体験に伴った匂い・音・映像・皮膚感覚がきっかけになり
    ・過去に体験したその場面や感情がありありと再体験される。
    といった事はいまだによくあります。
    過去の投薬で焦燥感が強くなり強迫症状が酷くなりました。
    服薬が怖い為、ここ数年頓服の安定剤も殆ど飲んでいません。
    今は無職でほぼ引きこもってるのですが預金にも限界がきてます。
    改善し自立するにはやはり薬が必要なのかもしれないです。

    • 池本哲晃
    • 2014年 7月 12日

    YANBARU先生。はじめまして。
    さて、
    先生の記事の、
    患者様の通念(社会的に妥当であるか否かを問わず)上、承服しがたい、過去の精神外傷事件が、つねに、頭の中に、しこりとして残り、
    それに付随した、その当時事件の記憶が、あたかも映画のように、ありありと映像や声として、フラッシュバックされ、悩まされる。
    という、症例が、
    中井久夫先生の、最終講義か、精神分裂病の養生というご本の、いずれかに、書かれてあり、
    中井先生は、これを、PTSD性のものだと診断されて、統合失調症とは区別され、治療に当たられたという、記事を思い出しました。
    うろ覚えで申し訳ありませんが、
    先生の治療活動の、ご参考になればと思い、コメントさせていただきました。
    失礼の下りがあれば、容赦なく、削除くださいませ。
    では、失礼いたします。

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