ADHD関連

ADHDと依存

 私の考えでは、ADHDに依存はできない。ADHDにとって一番大事なのは「自律」であり、自分が納得がいくように生きることであり、また基本的に他人に執着がないので、他人に「全部任せる」といったことは本来非常に苦手なことだと思う。

 私はカミさんと同居して、自宅新築などの共同の大きな問題について、「随時相談」ということができない。全部仕切るか、全面委任するかのどちらかだ。全面委任した場合は後で文句を言うことはないが、それは「自分が任せると決めた」からだ。頼るというのとはかなり違う。

 ADHDにとっては本来は「基本的にお互いが個人として自律していて時々時間を一緒にすごす」というような生活がもっとも楽で、同居の時間が長い場合には、「ここまでは任せる、ここからは自分でする」と初めからはっきり境界線(守備範囲)を決めてしまうのが楽だ。

 だから精神的に、「この人がサポートしてくれる、認めてくれるから」といった「依存」はもともとADHDにとっては大事な本来の生き方を裏切る側面があると思う。

 逆に、同居をはじめてから確認強迫症状(ガスの元栓、運転中に車で何かを踏んだ等)がひどくなる人も居て、これは私は「譲ること、任せることに慣れていないせい」であると考えている。

 だからADHDは依存で一時しのぎをして不安なりを紛らしても、根本的にはもっと大事な「自律できていない」という意味で自分を責めることになり、またこれを自覚できない場合、身体症状(頭痛、吐き気、ふらつき、動悸、下痢、強迫症状等)が悪化することになる。

 ADHDであると分かったら、自律したネコ科の動物の誇りを取り戻そう。表面的な甘い「是認」よりも、「対決」や直面化の中から時折可能になる厳しい「理解」を求めよう。これがADHDらしい生き方であり、頑なといわれてもそれしかできないのがADHDだ。 


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コメント

    • slummy
    • 2007年 4月 13日

    >ADHDにとっては本来は「基本的にお互いが個人として自律していて時々時間を一緒にすごす」というような生活がもっとも楽で、同居の時間が長い場合には、「ここまでは任せる、ここからは自分でする」と初めからはっきり境界線(守備範囲)を決めてしまうのが楽だ。
    自称ADHDとして生活して、本当にそういう感じです。
    これは私がする、これは私はやらない、という線引きを相手とうまく引くことができると、お互いに快適でトラブルが少ない。
    私が夫と二人で一緒にやっていると思っていること(家事、育児など)も実は「一緒にやる」というのではなく「時間差で引き継ぐ」か、「同時並行的に(明確に分担して)二人が別々にやる」という方が実態に近い表現かもしれません。
    (毎朝、亭主が料理をしている間に私が子供たちを起こしてトイレに行かせて着替えさせる、とか。)
    考えてみれば、私がしているほとんどの共同作業が、そんな感じかも。

    • HIKARI
    • 2007年 4月 13日

    私の旦那がADHDの典型だと思いました。
    我が家も自宅新築時に役割分担をし、旦那は金銭関係担当で、私は建物担当になりました。
    悲しいくらい、口を出さず、間取りから灯具に至るまで私が選びました。人生における一大事だと思うのに、「好きなようにやっていいょ」と自由と言うか、無責任とも取れる態度に途中から悲しくなって、最後に和室の「畳の縁」の柄だけは旦那に選んで貰いました。
    やはり文句もつけず、フェアな人間です。もっと関わって欲しかったという気持ちもありますが、口煩くないところが、私には気楽です。
    平日は仕事に没頭してますが、休みの日だけは、行動を共にして、いろんな所に連れて行ってくれます。
    新婚当時は、帰りの遅い旦那に、イヤミの手紙を書いて寝てましたが、効果はありませんでした。今は、慣れました。
    (ノ-o-)ノ ┫オリャ

    • なまえなし
    • 2007年 4月 13日

    皆様の並々ならぬご支援を頂き、
    春から職場が変わったものです。
    自己正当化型ADHDなんだ…納得です。
    昨日、今日頭痛がひどく、お休みを頂いて病院に行き、
    その後家族会議をしました。
    家庭内の「ホウ・レン・ソウ」がないんだ…
    家族全員自己中だから…納得です。
    父は経営者だから
    仕事に対する叱責≒自己存在の否定
    となりがち。
    その分、仕事の評価も短時間で目につきやすい
    でも私は被雇用者だから
    仕事に対する叱責≒自己存在の否定
    にはならない。
    しかし、仕事の評価は短時間では表れない
    仕事は結果が全て!!
    言いたいことがあるなら結果出してから!!
    そこにいたるプロセスを評価~など
    そんな甘っちょろいこと私にとってどうでもいいのです。
    でもコミュニケーションに必要なのは「安心感」。
    我が家にはこれがまったくない。
    自分が異動するはずない部署なら、言い方(ここかなり重要)さえ気をつければ言っていい!!
    昇進は父の夢であって、
    私はもともと出世に興味などないのだから。
    上に行くようなドライな人に私なりたくないのです。
    お蔭様で現在の職場の係長は
    本当に情けないくらい失敗から学べない私ですが
    「まずは結果出さないとね」と温和に叱って下さいます。
    ありがたいことです。
    あせっている私をみると
    「ゆっくりでいい」とおっしゃって下さいます。
    私の置かれている状況を見て、常にベストな指示を下さいます。
    本当にいい環境に恵まれました。
    …異動したくないです…ツキモノですが。。
    まずは体調管理!!
    ギリギリまで動けない自分よ、余裕もとう!!
    環境の変化か、また過食気味です。
    大学で何度もやったはずの実験ができません、
    やっぱり日頃つかってないと忘れますね…
    ちょっとずつ思い出しながら頑張ってます。
    コーチングの本、もう少し読み続けようと思っています。私に向いているかも。
    こんなとこでへこたれてたら生きていけない!!
    皆様本当にありがとうございました!!(よくわかりませんがとにかく全員に!!)

    • 雪だるま
    • 2007年 4月 14日

    以前から、ADHD夫は「相談ができない人」「話し合いができない人」だと感じてきました。ところが本人は自覚がない、というより、ADHD側にとっては「相談」「話し合い」の意味自体ががこちらとは違うのかもしれないなあと思うようになりました。(かといって、どういう意味かはまだわかりませんが)当方は自然と相談して決めるより、分業体制で行く方がいいと判断し、そう提案してきたのですが、夫はそれでは納得がいかないようで・・・「夫婦は話し合って決めるべき」という強い思い込みがじゃまをしているようです。今回の話を読んで、自分のやり方は対ADHD夫に合っていたのだろうと思うのですが、本人が納得しない限り難しいです。もっと変化球で行くべきでしょうか?

    • パパイヤ
    • 2007年 4月 14日

    分担の話、slummyさんの話を読んでイメージが沸きました。同居人となら線引きを守ってトラブルなかったですが、相手が旦那だと「台所に主婦は2人いらないのよ!」みたいな嫁姑の争い状態になってました。
    「自律」「頑な」の話は、先生はエスパーか、何で分かったの?と思います。ADHDのことはADHD以外には理解し難いんでしょうか。私は結婚前は父から、結婚後は旦那から「心配」という名目でストーカーのように粘着され、ほんと嫌でしたが、今誰からもほっとかれてて、毎日、「今が人生で一番幸せだ!」と幸せをかみしめています。
    >表面的な甘い「是認」よりも、「対決」や直面化の中から時折可能になる厳しい「理解」を求めよう。
    YANBARU先生、ここの「厳しい理解」というのは具体的にどういうことでしょうか。よろしくお願いします。

    • やう。
    • 2007年 4月 15日

    未診断ADDの疑いのある女です。
    >誰からもほっとかれて、今が人生で一番幸せだ!
    というパパイヤさんの意見には非常に共感するものがあります。
    人に理解してもらうのはとても難しいですが、自分の感じるように、やりたいことをやれるのはとても気持ちがよいです。
    ヤンバル先生の「自律」が必要であるという言葉も勇気づけられます。今まで周りに迷惑をかけないよう、でも「自分」に関することは頑なに貫いてきたのですが、間違っていなかったと感じます。
    猫科の誇りをもって生きる、という言葉もよく理解できます。
    本当に勇気づけられます。

    • 2007年 4月 16日

    初めまして。紫です。
    私は、受動型ASを自覚しています。
    半年程前から、死にたいとか、消えたいとか、不安な気持ちに支配され、リストカットをしてしまい、子育てがままならなくなってしまいました。今は、薬の力などで、多少は落ち着いています。
    こんな状態になってしまった原因は、今年で結婚9年目になる夫との関係です。
    最近、その夫には、自己正当型ADHDの疑いを持っています。
    彼のモラハラと、家族に対する無関心に悩まされています。自分のして欲しいことを要求してくる時は、子供のよう。それなのに、帰宅時間が遅いことなどを言ったり、夫が気に入らないことをすると激怒し、無視したりします。
    夫に絶対服従だったASの私は、限界を感じてしまったのかなと思います。服従に疲れて、リストカットをして脅し、激情によって、逆に彼を支配しようとしていたのかもしれません。
    夫は夫で、自分に依存しているかの様に執着する私に疲れたのか、不倫してます。(この不倫発覚で、私のリストカットが始まりました)
    自分の好きなことは、どんなことがあってもやめないと言っています。楽なんですね、彼にとっては。しかし、執着がやめられない私には、そのことが、辛く苦しく、鬱状態になってしまう、ということに気がついていません。どうして彼じゃなきゃいけないのか、分かりません。リストカットや、鬱状態は、すべて私自身の責任だと言われてしまいました。
    雪だるまさんのおっしゃる通り、話し合いとか、相談とか、意味が分からない、といった感じですよね。うちの夫の決め台詞は、自分で考えて自分で決める!です。
    夫から見たら、私は自分を持たない、人格がない様に見えるのでしょう。(これは、夫から直接言われた言葉です)あなたの態度、言動で深く傷ついたと説明しても、分かってもらえません。逆に、人のせいにするなといわれる始末です。何処までいっても、自分は自分。やっぱり、夫は、ADHDなのでしょうか。
    このページに出会えて、私は一人じゃないんだと、少しほっとしています。少しずつ、自分のことも、夫のことも分かっていきたいです。

    • 匿名
    • 2007年 4月 17日

    YANBARU先生、御意見お願いします。
    小学校からの友人。一流進学高、大学を卒業するまでは順風満帆でしたが、社会人になり挫折。人間関係がうまく持てません。相手の気持ちが解らず営業がうまく出来ず悩んでいます。「人見知り」「どもり」「鼻声」「早口」「かすれ声」なので商談がうまく言えず、聞き返されるとさらにどもりが強まるそうです。
    また友達に暴言を吐きます。幼少時より口が悪いことは有名でしたが、大人になって明らかに相手に失礼、傷付ける言葉を投じ、その時は本人は解らず悪気はないのですが、指摘されると反省し落ち込みます。
    暴言についての非難は受け止められるが、その原因である言葉を発するという行動が止められないことに問題がある、と自身で分析してます。
    これらから次第にうつになり、今は内服治療中です。時々腹痛に襲われます。
    ADHDの抑制機能が少し足りないタイプでしょうか?

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