ジャイアンならではの言葉はジャイアンの複雑な心理を理解するのに役に立つ。
ジャイアン語録1
「私の中には、人に頼りたい気持ちと、頼って後悔する気持ちの両方が強すぎてどうしようもないんです」
これが不思議なのだが、ジャイアンの独特の依存性をよく言い表している。ADHDとして自立を尊び、むしろ自分が主役となって周囲を支配することを望むジャイアンが依存を嫌うのは想像できるのだが、問題は依存性のほうだ。
ここで言うジャイアン独特の依存性は「是認、肯定を求める気持ち」と表現できるかもしれない。「あなたが正しい、相手が悪いと言われ続けなければいけない」という、不安とも違うのだが、その逆のことを言われることへの極端な恐怖のような気持ちが慢性的にあるのだ。
ジャイアンにとって周囲の人は「是認、肯定をもたらす人」として必要だ。逆に本人を否定する相手はどんな手段を使っても叩き潰そうとする。
ASにも一見似た、人を求める気持ちと人から離れようとする気持ちの両方があり、表面的な発言としては似たことを言うことがあるが、ASの愛着は命がけであり、全面的に頼ることを選ぶ場合も後悔はしない。
ジャイアンは本当の意味で人を求めてはいない。人はあくまでも自分を是認、肯定してくれる限りにおいて意味があり、誰でもよく、また是認、肯定しないならば人は要らない。この根本的な近い人に対する冷淡さが、パートナーなどをぞっとさせることがある。
積極奇異型ASの「支配欲」とある意味では似ている。ただ積極奇異型ASは一途で命がけであるのに対し、ジャイアンの支配は「こっちがだめならあっち」という非常に都合のいいことができるのが特徴だ。
頼りたいけど頼って後悔すると言うのが分からないです。頼るなら頼る、頼らないなら頼らない、のどちらかなら分かりますが・・。常に肯定されることを求めているというのは分かります。