ADHD関連

AS-ADHDカップル再①

 成人発達障害の臨床の場で家族歴を聞くと、アスペルガー症候群とADHDのカップルが非常に多いことが分かる。特にADHD女性の場合には、全てのケースに「夫はASの可能性は?」と質問する価値があるほど多い。

  ASは何故ADHDが好きなのか、いろいろな要因が考えられる。「ADHDは嘘をつかない、正直」、「相手の人格を尊重して束縛しない」、「偏見が無く、少々こだわりなどのAS側の特殊事情があっても現実的に対応できる寛容さがある」など。

 この場合ASは積極奇異型が多く、強烈な愛着からひたすらラブコールをし続けてADHDのほうは「こんなに想われているなら、正直でいい人であるし、断ることもない」という感じでカップルになりうる。

 ①積極奇異型AS-合理的ADHDカップルは、AS側があまり束縛すると、ADHDが窮屈となって破綻へ向かうことが多い。AS側が服従し続ければ、妻が遊び続けても許す「理想の夫」となり、安定する。

 このほかに②「妻がADHDのACである場合」、③「妻が自己正当化型ADHDである場合」、④「夫が受動型ASである場合」、⑤「夫が孤立型ASである場合」などのパターンが考えられる。しばらく一つ一つのパターンを検討していくことにする。


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コメント

    • 匿名
    • 2006年 12月 09日

    自己診断で私はADHD、夫はASではないかと考えています。そのことを前提として、ADHDがASに惹かれる要因について(自分の経験をまじえつつ)書いてみます。
    私は、人に執着しない(できない)ADHDとして、ASが抱く「愛着」を深く尊敬し、憧れています。
    継続的、持続的に特定の人物をいとおしみ、かけがえのない存在として大切に思い続けることができる、というASの性質は人間としてすばらしい、天与の才だと思うのです。AS本人としてはそれが苦しみの原因になることもあるのでしょうが、その能力が完全に欠如した者にとっては奇跡のような技です。
    ADHDは目の前にいる人がすべて、目の前にいない人は存在しないも同然、となりがちですよね。「私は特定の他者を愛し続けることができない人間なのかもしれない」と悩んだこともありました。
    「この人を見習って、この人のように、私も他人を愛せるようになりたい」というのが、結婚に至った理由の一つです。

    • yurin
    • 2006年 12月 09日

    私の自己診断では相方(夫)は受動型ASと診立てますが、
    これはどうやら外していないようなので私も『ADHD-ASカップル当事者』として
    『ADHD(女性)がAS(男性)に惹かれる理由』を考えてみました。
    これはサリ・ソルデン女史の著書『片付けられない女たち』の中に興味深い記述があります。それは『ADD(ADHD)女性が惹かれるタイプの男性像』の中に『仕切りたがる男性』という記述です。理由は『ADHD女性は整理整頓能力に欠けていて生活力に自身がないため、”仕切ってくれる男性”は混沌としたADHDの世界に道を作ってくれるように思えて魅力を感じる』。この『仕切ってくれるタイプ』がASの男性にあてはまるからではないかと、私は自分の経験からそう思いました。
    他に魅力を感じるところがあるといえば、『趣味についての豊富な話題』でしょうか。もともと好奇心旺盛、ある意味『冒険好き』なADHD女性がAS男性のこういうところもまた魅力に映ると思います。(経験上)
    実際生活をしてみると『こだわりには金銭感覚が狂う』とか、
    『自分で決められない決断力の無さ』『何でも人のせいにばかりする』等が目に付いて怒りたくなるのも本音です。今は相方に対する『怒りの部分』はありますがそこは『お互い様』と自分で言い聞かせて折り合いをつけています。
    余談ですが私は昔から『感情的になりやすい』と思ってました。それはADHDのせいかと思ってましたが、『本当はあまり感情的にならず、現実的に対処できる』ではないかと自己診断しています。私自身はADHDの中でも多動は目立たず、むしろ不注意が強いタイプで、人間関係では『うっかり本音を言ってしまう』ことからトラブルになっていたと思います。

    • mario
    • 2006年 12月 18日

    『ADHD女性は整理整頓能力に欠けていて生活力に自身がないため、”仕切ってくれる男性”は混沌としたADHDの世界に道を作ってくれるように思えて魅力を感じる』。
    ADHDであろうと思われる妻は、他にも理由は沢山ありますが「自立したい。自力で生活したい」と家を出ました。新居の環境構築に私の力を借りないように努力はしているようですが、私のカードで家財を買う、家電の買い物の相談をしてくる、結果買い物に付いて行くことになる。別れれようとしている相手に対する対応として私に理解できません。
    この辺り、ADHDの観点から何か説明できますか?
    済みません。私たちの問題の全てをASやADHDのせいにする事は適切でないことは分かっています。診断を受けていないので本当にASやADHDかどうかも分からないですし。ただ何かのヒントが得られればと思いまして。こう言った部分で、とことん調べ、回復に努力するのもASっぽいですよね。

    • miel
    • 2006年 12月 25日

    >ASは何故ADHDが好きなのか、いろいろな要因が考えられる。
    ADHDの人と定型発達の人の組み合わせは、ADHDの資質・努力等によって溝は埋められる。
    しかしASの人と定型発達の人の組み合わせは、ASのこだわり・頑固さによって、溝が深まる。
    それゆえ、ASは定型発達者のパートナーになることは難しく、結果としてADHDと
    パートナーになる可能性が高いと思う。
    その場合も、ADHDがACである場合の可能性が高い。
    ACの部分がASとADHDを結びつける可能性が高い。

    • 匿名
    • 2007年 1月 02日

    コメントありがとうございました。
    slummy様
     ASの人は時には無私の神業とも言える奉仕的な行動もすることが出来、これは愛着によるものです。自分でも断ち切れず、本人には非常に生きていくのに厄介な特徴ですが、確かに相手からは(特にAC的な不安があると)崇高に思える気持ちは分かります。
    yurin様
     「仕切ってくれる」というところはACで自信が無いときにはありがたい特徴になりますね。問題は本来のADHDに戻ったときに別の形で受け入れなおすという作業が必要になることです。いずれにしても「理解」は一番先に必要なことです。
    mario様
     ADHDは「これはこれ、あれはあれ」という何でもありの発想をよくします。ADHDなりの合理性はあると思いますが、理解は容易でないですね。いずれにしても、理解する努力を続けてください。
    miel様
     ADHDは多数派ともASともかなり「違う」からこそ共存可能なのだろうと私は想像します。ASは状況の直感的な理解が出来て、それが多数派と違う原則で意味づけられるために、「どこが分からないか、どこがすれ違っているか」が分かりにくいという困難さであると思います。
     またACが無くてもADHDもASに惹かれると私は思います。slummyさんも書いていますが、「純粋さ」というか、一途な生き方は発達障害として共通しますので。
    コメントありがとうございました。

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