AC、人格障害関連

約束の地

 随分長い間更新できず大変申し訳ないと思う。

 平成26年6月までのU病院での私の診療体制は、午前に病棟の業務と午後に発達障害のカウンセリングという体制だったが、実際昨年の11月以降は新規入院数が月に13件程度と毎日のように入院があり、平成24年初めの着任当時の1.5倍に業務が増えて「このままでは自分が持たない」という状況になっていた。

 それに加えて、平成26年4月の精神保健福祉法改正の流れがあり、「退院させないでずっと抱え込むU病院のシステム自体が今後持たない」「いずれ丸ごと施設に変わるか、取り潰しに近い状況になるだろう」「という現実をオーナーがまったく理解していない」という予測があったので、「船が沈む前に避難」という意味もあった。

 という訳で以前お世話になった北中城若松病院の院長先生に「発達障害の診療と両方やりたい」と泣きついたわけで、寛大にも了解を頂いて「14時までで区切る」という現体制を7月からスタートすることになった。
 これまでここでは公表しなかったが、私の勤務地は沖縄県中頭郡北中城村にある「北中城若松病院」で、14時までは同院の認知症の診断と治療、14時以降はこれまでと同じく発達障害の特別外来という形になっている。

 14時以降の体制はこれまでと同じで、大体一時間枠での予約制のカウンセリングが中心だ。新患の希望もこれまでと同じでメールで先に相談の概要を教えてもらい、私が予約OKの返事をするという形を続ける。

 平成16年に兼城医院で臨床心理士たちとともにAC(アダルトチルドレン)の認知療法的なカウンセリングをはじめて以来、内容は徐々にACや人格障害、思春期から発達障害へと変化してきた。兼城医院には結果として経営面としてはあまり貢献できず申し訳なかったと思っているが、その後もやはり「時間のかかるカウンセリングが経営、医療経済上の問題で続けられない」という本質的な問題で私はいろいろな(あえて言えばブラック路線の)医療機関を転々としてきた。
 特に南部で勤務したPクリニックでは当時の経営者が不正請求で逮捕されて、私も取調べを受けた。最近まで勤務したU病院は「社会的なターミナル」という意味で私は好きではあったのだが、ケースワーカーも募集しても来ない状況で現状は末期的だと思う。

 ブラック医療機関には医師が来ないので、私が少々好き勝手にやっても辞めさせられることはないだろうという「寄生」のような形でこれまでは発達障害支援をなし崩し的に続けてきた。
 今回ははじめて病院側の理解も得ている訳で、この形での両立が沖縄県で今後成人の発達障害支援を継続する最終的な形になるだろうと考えている。

北中城若松病院 〒901-2395 沖縄県北中城村字大城311 TEL 098-935-2277

 新患の希望者はこれまで通り私のHPのメール相談に相談内容を書いて送っていただき、私が予約OKと判断してから診療します。http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/mail.htm


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コメント

    • さーこ
    • 2014年 7月 21日

    長く更新されていないので、気にはしていました。
    後藤先生、お体には気をつけてくださいね。
    私の職場では、国が求める基準をクリアするために新たな滅菌機の導入が行われていたり、新人の方と入れ替わる形で先輩が退職することになったりと動きがありました。
    職場の動きと連動して、職場内での私の立場が少しずつ段階的に進んでいるのを感じていますが、こういった状況になるのが初めての事なので、勝手がわからず、精神面で奮闘する日々です。
    先日はこの職場で初めてになる健康診断を受けてきました。全額を先生に出していただいたので妙なプレッシャーが来ましたが、私にとっては実に10年ぶりくらいの健康診断だったので、この恩恵を忘れずに、出来るところまで頑張ろうと思います。

    • 182
    • 2014年 7月 21日

    記事が再開されてホッとしました。
    よもや、死んではいないかと心配してましたから。
    (コメント欄の承認は影武者で、、、)
    > ブラック医療機関には医師が来ないので、私が少々好き勝手にやっても辞めさせられることはないだろうという「寄生」のような形
    こういう発想って私にもあります。いかにもジャイアンって事でしょうか。
    ジャイアンが好き勝手やって許される場所って多数派的な所にあると思えないですものね。
    だから、敢えてブラックを選んだのに、当のブラックにしてみたら「俺様がブラックである事とお前の好き勝手を許すことに何の関係が?」なんですよねψ(`∇´)ψ
    だから、いざ摘発されたら丸ごと全部、責任転嫁してきそうですね。
    こっちにしてみたら自分から寄生(依存)した手前、自己ツッコミから丸ごと全部責任を引き取ってしまいそうで、、、弱いジャイアンだったらそれで潰れそう、ってか私だったら確実にアウトだわ…>_<… 文字通り、荒れ野で犠牲を捧げてカナンへ至ったのですね^_−☆

    • アルヲ
    • 2014年 7月 23日

    久しぶりの更新、ご無事で何よりですw
    先生のブログの記事が、発達障害の特性の理解にとても役に立っています。
    更新がない間も、過去記事の検索で気づかされることがたくさんありました。
    今後とも、ブログの更新は楽しみですが、先生ご自身に無理がないようにと願っています。
    いつも、ありがとうございます。

    • あかり
    • 2014年 7月 23日

    お久しぶりです。先生の事を凄く心配していました。
    大人&成人の発達障害者に対する支援が影を薄くなっています。沖縄県発達障害者支援センターも行っても大人の発達障害者を見てくれる担当者も辞めて残念です。相談のみです。
    先生が必要としている患者はいます。
    1.歯医者に行っても何回も歯の掃除(着色など原因)でお金を取るのは残念です。半年に1回なら分かるが2~3か月事でやるのは疑問です。金を設けて発達障害者患者から取るのは残念です。理解するのは出来るが出来ないのは難しいです。お金を無い人もいるのに医者は上から目線に冷たいです。医者はタバコ臭いです。 高級車を乗る。
    発達障害者患者をされにくい現実です。
    2.以前、デイナイトケアも運営が難しいから辞めて就労継続支援事業所などをやっている。以前、経営者の人から誘いの電話などをあった。しかし、私は断った。
    説明されない、数を集めて国から金を集めるのは残念です。
    以前、先生からのアドバイスで「理解と配慮」&「出来ないことは出来な」などについて勇気をもらいます。
    後藤先生 お体に気をつけてほしい。
    先生のブログ更新を続けてほしい。

    • F
    • 2014年 7月 25日

    新しい環境でのお仕事が始まったのですね。
    今年もとても暑いです・・・。お体には気を付けて。
    私は怠惰な性格で、面白ければ言われなくてもやるのですが、面白くないものについては「必要になったら勉強しよう」と思っています。
    日商簿記2級は取れたので、このまま税理士の勉強をしてみようか、それとも別のことを始めようか?と考えていました。
    パソコンもある程度使えるからいいやと、資格は一つも持っていません。実際仕事する上では、困りませんでしたし。
    とりあえずMOSを取ることにしました。それから趣味で数学検定を受けてみようと思っています。まさか因数分解が楽しいと思う日が来るとは思いませんでした。
    資格にどれだけの価値があるのか、私にはわからないけど、世の中ではそれ(指標?)が大事なようです。
    実家が絡まなければ、とても穏やかな日々を過ごしています。
    私には、古いエントリやコメントが、今頃になって腑に落ちたりするのです。
    読んだときにはピンと来なくても、記憶の片隅に魚の小骨のように残っています。だから、更新がないときは「宿題」をしている気分です。
    またひとつ違和感を思い出したので、そのうちコメントしに参ります。

    • さーこ
    • 2014年 7月 25日

    後藤先生がこの記事を書いて更新する前に、私が思っていた事を書いてみます。
    「私はなぜ、先生の記事が更新されるのを待っているんだろう。」
    「私は、先生の記事というヒントを元に充分すぎるほど考えてきた。いかに生きるか、それは、これからは私が自分で見つければいいじゃん。」
    先生のブログには、1人で生きる分には充分すぎるほどのヒントがありますね。
    もしも私のライフステージの段階が進むという事になった場合、またいつものように精神的にグラつくのかどうかはわかりませんが。
    余談ですが、ジブリの最新映画に出てくるダブルヒロインは、どちらも私の心を映したかのように表現されていて、「やっぱりそうだったんだ」と思わずつぶやいてしまいました。
    機会があれば、また見に行きたいです。

    • ぬまお
    • 2014年 7月 29日

    先生も元気そうでなによりです。理解のある職場に行けて良かったですね。
    4月に子どもが小学校に入学して、子どもの生活のリズムや就寝、起床の時間が変わったことに妻が対応できなくなり、不適応行動が目立ってきたので、自分が生活のリズムを変えて子どもの生活に合わせる環境調整に一学期間かかり切りになってしまい、日常生活以外に何もできなくなってしまいました。子どもが夏休みに入って、ようやく一段落したところで、もう、大丈夫そうです。
    先生の勤務先の北中城村は、自然に囲まれたいい所ですね。沖縄の世界遺産の中で一番、見ごたえがあった中城城跡や、国指定重要文化財の中村家住宅が近くにありますね。中村家に行こうとして、間違えて北中城若松病院の方に行ってしまったので、ああ、あの辺に先生は今、いるのかとイメージがわきます(笑)中村家は沖縄の住居建築を知るには必見で、係の人も親切でした。沖縄旅行に行く人は、中城城跡と中村家は絶対に立ち寄った方がいいと思います。

    • 道産娘
    • 2014年 8月 03日

    >ブラック医療機関には医師が来ないので、私が少々好き勝手にやっても辞めさせられることはないだろうという「寄生」のような形でこれまでは発達障害支援をなし崩し的に続けてきた。
    すみません、記事の内容とは全く関係無いのですが…
    「私が少々好き勝手にやっても辞めさせられることはないだろう」って発想、ジャイアン的に「人(というより足元?)を見ている」ということですよね。
    自分がのび太だと思っていた時もそうでしたが、私ならこんな発想しない(出てこない)だろうなと思いましたσ(^_^;)
    「客観的な事実関係のみの振り返り」って、ASDには結構きついですね。
    油断して気を抜くと、すぐに「悪意の有無」という発想になりがちです。
    私自身は「匿名のコメント者なので、自分がこのブログを仕切る立場では無い」と考え、「皆好き勝手にコメントしてるんだから、そのコメントを参考にする・しないは読む側の自己責任」と思ってますが…きっと何を言っても伝わらないし、私も無自覚のまま「仕切ってしまっている可能性」があるので、(攻撃を避ける意味もあって)またひっそりと積極奇異型ASD記事にコメントしに伺います。
    ありがとうございました< (_ _*)>

    • amethyst
    • 2014年 12月 23日

    先生が現在お勤めの病院は認知症治療がお得意の病院のようですね。

    私の両親も89才近くなり、特に父が最近もの忘れがひどくなってきました。
    私は1人でいるのが好きなので、介護とか人のお世話は得意ではないのですが、逃げていると
    認知症なども進行して、後でもっと苦労すると思うので、ここで「発達障害者特有の過集中」を発揮して
    認知症予防や介護のコツを徹底的に勉強しようと思っています。

    逃げているといつまでも「めんどくさい」かもしれませんが、「過集中」を使えば、段取りやコツがつかめて、だんだん慣れてくるかもしれません。

    この正月休みは認知症や老人介護の情報集めの時期にするつもりです。

    • amethyst
    • 2015年 1月 11日

    認知症予防にいい教材を見つけました。
    公文式でおなじみの「くもん出版」から出ている「脳を鍛える大人の計算ドリル」と「脳を鍛える大人の音読ドリル」というものです。
    計算はごく簡単な計算をできるだけスピーディーにやっていくのがコツ。音読ドリルは誰もが知っている名作の一部を声を大きく出して読み上げるという作業。
    どちらも家族が付き添って一緒に見てあげる必要がありますが、これらのトレーニングを毎日少しづつ続けると、前頭前野という場所が活性化されて、頭がスッキリするそうです。
    お年寄りだけでなく、中年の私にも効果的だろうなと感じるような、いい教材でした。
    もの忘れのひどくなってきた父の他に、母も一緒にやりたいと言ったので、3人(私は監督する係)で始めてみようと思っています。

    • amethyst
    • 2015年 2月 11日

    前にこの記事に「認知症」のことを書いたので、そのつながりで今日も書きます。
    (発達障害とちょっとずれてすみません。)

    父を近所の「もの忘れ外来」に連れて行ったところ、「健常」と「認知症」の間の
    グレーゾーンであるMCIだろうと診断されました。
    MCIとは一般的には「軽度認知障害」と訳されていますが、ある先生はこれだと
    「軽度の認知症」と誤解されるので、「認知症予備群」と訳しているとのことでした。

    つまりまだ認知症にはなっていない状態で、そのまま放置しておくと
    認知症に悪化する可能性が多いが、いろいろな対策を講じると認知症にならないで済む
    可能性もある「大事な分岐点」だとのことです。

    対策としては4つの柱があり
    ①何を食べるか
    ②いかに運動するか
    ③いかに脳の活性化をさせるか
    ④医師や薬との付き合い
    を積極的に工夫することが大切だそうです。

    このMCIの概念を知り、ずいぶん希望が持てるようになりました。
    悪化する可能性もあり、心配な部分もありますが、ベストを
    尽くして寿命が来るまで、できるだけQOLを保てるといいなと
    考えています。

    • amethyst
    • 2015年 3月 05日

    認知症話の続きです。

    もの忘れ外来で、今のうちなら薬がよく効くので処方しましょうと言って「リバスタッチパッチ」
    という背中に貼るタイプの抗認知症薬を処方してくれました。
    1日1回、丸いシールのようなものを背中に貼るという珍しい薬です。
    これは脳内のアセチルコリンという神経伝達物質を増やす働きがあるそうで、このアセチルコリン
    が増加すると、記憶に関係する「海馬」の働きを活発にしてくれるそうです。
    父はもの忘れ外来に行くまでは、その日の月日や曜日が全くわからなくなっていましたが
    その薬を2週間使ったら、「今日は何月何日何曜日」とかなり正確に言えるようになったので
    即効性に驚きました。
    この薬を浮き輪にして、他の大事な要素も並行して実行していき、何とか悪化を防ぎたいと
    思っています。

    • 比嘉
    • 2016年 1月 26日

    助けが必要です。
    理解されません。
    孤独です。
    自分が情けない、悔しい。
    疲れて来ています。
    人が信じられくなっているようです。

    現在は、ある病院に通院しています。

    いろんな病院で、いろんな診断をされていることが、わかりました。(最近です)
    診断名も教えられませんでした。
    それは、生活保護申請で水際作戦に合うことになったからです。若い、働く気がない、甘えだそうです。
    良く、騙されたり、不当なアツカイをされます。
    現在は、保護を受けています。が問題が多すぎて、
    支援者もいましが、年金申請も障害がわかってから一年近く立ちますが、まだ、申請すらしていません。
    診察予約をしたいのですが? お願いします。

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