成人ADHDのケアには、注意欠陥や衝動性といった「一次障害」だけではなく、その一次障害を抱えながら生きていくために幼児期から学童期にそれぞれの環境と能力の組み合わせの結果として身に着けた「適応型」を考える必要があると私は最近考えている。
その適応型の一つに、「やっつけスタイル」とでも呼びたくなるようなスタイルがよく見られ、思春期後半に不適応を来たして心療内科を受診する。
適応型とは、「自分の衝動を我慢する方法」と、「興味のないことをそれなりにこなす方法」が中心で、幼少期の親などの「環境」と本人の「能力」の兼ね合いで決まってくる。
小さい頃はスポーツなどが得意で、WAISⅢなどの知能検査をすると「動作性IQが高い」タイプのADHDの人に多いのだが、「不器用ではない」ので、それなりに何でも「ぶっつけ」でこなせる。
一方注意欠陥で「忘れやすい」のはあるので、嫌なことはとりあえず最低限の労力でこなして表面上やっつけて、「早く終わらせて次に行ってしまう」ことだけを考える。
例えば宿題などは「友達に写させてもらう」など、表面上は「それでうまく終わらせて切り抜けられた」ということになる。
「衝動統制の6分類」から考えると、「怖い親などに怒られなければ良い」という「依存型」のスタイルの一部分と考えることも出来る。
http://www.geocities.jp/yanbaru5555/jaianprosess.mht
問題は、「大体中学1年くらいまでは有効なのだが、その後破綻する」ということだ。
現実的には高校受験の勉強で、「粘り強く勉強を続ける」ことが出来ない。
一番は同じく高校受験で、「自分の好きな道が分からない」という大問題だ。
「口うるさく干渉する親からの支配」という環境に対しての「適応型」として、「その親から叱られなければ良い」というスタイルを身に着けるに至る。
ある程度「器用」であれば、「表面上だけ親に叱られない程度にうまく見せておく」という芸当も可能だろう。
実際、このスタイルはその親からの支配が持続している限りは「適応型」としてうまく機能するのだ。
(ちなみに不器用だとどうなるかと言えば、ジャイアンACになる)。
それが、「自分の判断で決める」「自己責任」が問題になると途端に破綻する。
大体13歳と14歳の間にその境目が来ることが多いと思うが、一番はっきり突きつけられるのが「進路選択」の場面であるというわけだ。
ケアは、結局「合理的思考をインストールする」しかないと私は思う。
合理的思考で「自分で継続的に考え続けて解決する」というスタイルを身に着けると同時に、ADHDの診断と告知により、本来の脳の働きの原点に立ち返って「好きなこと」を探す。
私は小学校で移動教室で置いてきぼりになるのを恐れていたような「ぶきっちょ」で「どんくさい」ADHDだ。
人にノートを借りるなんてそのほうがよっぽど大変で、逆にそのせいで「自分で何とか解決する」方法を考えるしかなかった。
不器用でKYのADHDは結局「合理的」なスタイルに落ち着くしかないのだが、逆に「器用」なタイプのほうが長期的には不適応を起こすというのは皮肉な話だ。
先生の久しぶりの新説に大変興味を覚えると共に、
先生が作られた発達障害リストで自己診断をすると腑に落ちない点が漠然とありました。
何故なら、ac型にしてはしっかり日常を楽しめているし、
自己正当型にしては周囲に鬱傾向で我慢していた時期のやり返しをしてしまった事以外は作業もこなせますし、気遣いや心情理解や状況判断も適切に出来ます。
しかし、今回の説を読みまさしく私はこれだ!!と思いました。
人見知りな癖に、ノートを借りたり、お昼を食べたり、適当に若者らしい話やファッションや部活で楽しむだけの相手などを適当に計算高く作り、いつ飽きられたり、正体がばれるか毎日冷や冷やしたり誰よりも小心者な癖に短期的な成績や戦勝をいかに効率よく上げられるかに快感になっているギャンブラーと化して行きました(笑)
結果として高校の最後は目標が無い故に、自暴自棄に現実逃避し、まぐれで受かり、そこで周囲とのギャップから社会生活への不適応を感じました。
善人になり改心する。そう決意すればする程色んな事が上手くいかなくなりました笑
日本の社会では何事もほどほどが一番かもしれません。
先生いつも分かりやすい解説有難うございます!!
1年ぶり位?に書き込みます。
わたしはまさしくこのタイプです。
宿題写させてもらい、テスト直前に一夜漬けし、その場を切り抜ける。
そして高校卒業直前に「この先どうしたらいい?」となりました。
選択肢、というものが出現した途端、わけわからなくなりました。
それ以前から、親意外の誰かに依存する傾向もありましたが。。
反社会的なこともいくつか経験し、鬱やPDも体験し、今は結婚もし、それなりに落ち着いていますが、思考の二極化や、ストレートタイプの夫との価値観のギャップは否めません。
しかも、掃除や片付けが苦手なのですが「やっつけスタイル」は今こちらに生きております。
やっつけスタイルだけどなかなか理解されないですが
歯医者などでも医者の先生が発達障害者(アスペルガー&ADHD、ジャイアン的)などを敬遠したり、治療も見てくれない。先生の地元「沖縄」です。
発達障害者(アスペルガー&ADHD、ジャイアン的)を理解されないと悩まされるね。こだわりもある。
中にはお金をだます歯医者の先生もいます。説明なく前回の手数料を足します。善の知らないアスペルガー&ADHD、ジャイアン的です。
先生の琉球新報で書いた記事で大人の発達障害者を見る医者、医師の勉強がされない。YANBARU先生に尊敬します。
NPO法人、発達障害者支援センターなどが歯医者、行政、デイケア、就労支援などと連携してほしい。
親などと話すなど最後に「て」を入れると好きでない。
「あけて」、「使って」などを言われるときついですね。
特に人間関係が大変ですね。歯医者での嫌な思いが家族まで移っている。親は外に出ると通用が出来ない。日常会話なんだなどと言い訳です。YANNBARU先生へ どうにかしてほしい。やつけろスタイルは難しいね。
先生のデイケアでも成人の発達障害者などの理解を取り組んでほしい。
話し方~発達障害者の理解性~
親などと話すなど最後に「て」を入れると好きでない。
「あけて」、「使って」などを言われるときついですね。
特に人間関係が大変ですね。歯医者での嫌な思いが家族まで移っている。親は外に出ると通用が出来ない。日常会話なんだなどと言い訳です。どうにかしてほしい。やつけろスタイルは難しいね。
「やれ」、「どけ」などの命令形は分かるが
やっつけスタイル。まさに、私は小学生のころからこのスタイルで乗り切ってきました。その割に、うまくいくことも多かったことも覚えています。しかし、先生の仰るように、これがうまくいったのも、中学3年まででした。高校に無事入学してからは、何度となくつまづきました。そして、勝手にうつ状態にもなったりしました。
しかし、そんな私も今は20年以上も看護師をやっており、
現在は大学院で小児看護を専攻しています。
・・・しかし、やっつけスタイルは健在で・・・。
全く自分に厚みが出ていません。反省しつつ、自分をトレーニングしているところです。