ASにとって想定しにくいものには、未来にあるという意味で「未定」であることの他に、「知りえない他者の意図や意志に基づく未定」があり、実は対人関系においてはこちらが重要となる。
よくASが「被害妄想的」と言われるのは、「本来は知りえない他者の意図まで少ない情報からはっきり断定して考える」というところからだろう。実際表面に現れた行動からは、「本心」や「意図」は高々「推測」出来るに過ぎず、断定は本来不可能だ。しかし通常(表現の問題でもあると思うが)ASの人は「***と思う」とか「***と想像する」とは表現しないことが多い。
もともと知りえないだけでなく、ASから見るともっと困難なのは、「他者の意図が時間とともに変化する」ということだ。ASの人には「あの時こういった」という発言が多いが、他者の発言であっても、変化すること自体に抗議しているのだろう。
これらの断定から逃れるためには、「(特に対人関係においては)手持ちの情報は非常に少なく、断定は危険である」と考えて、「暫定的な結論」を立てながら追加される情報に応じて結論自体を変化、発展させていくしかない。ASの人にはストレスだろうが、人と共存して行くための最低限の条件ともいえる大事なことだ。
現実的にはこのプロセスは「相談」という形を取る。そのたびそのたびに相手の意図を実際に言葉の形で確認して、その情報を追加し続け、言葉で得られた以上に普遍化することもしない。「必要があれば相手に聞く」ということになる。
「相談」できるようになることはASのコーチングの最終的な目標である。
それが行事なら、「知りえない他者の意図や意志に基づく未定」の引き出し=ごみ箱=削除 となりがちです。それが他者の本心や意図なら、変化を感じ取った時点で全精力を傾け情報を収集し白黒を決めようとします。従ってASの人は「気分がころころ変わらない大人」を好みます。しかし軽度のASの人なら、仕事と割り切れば気分の変化の激しい人にも付き合えるようです。密かに軽蔑しながら、ですが。
ここ最近の話で、他者の意図や意思を断定する事は避けるようにこれからは注意しようと思っていたものの、
> 言葉で得られた以上に普遍化することもしない。
普遍化もダメなのかとショックを受けています。得た情報はどういう意味を持っているのか、常に考えていることです。情報に何の操作もしないのであれば、その情報は保持することも活用することも出来ません、少なくとも私には。
>ASから見るともっと困難なのは、「他者の意図が時間とともに変化する」ということだ。
私の場合、この双方向性の情報のやり取り、交換という作業はなかなか難しい作業だなと
感じています。もしかして、全てを経過点として取り扱えばよいという事でしょうか。
>これらの断定から逃れるためには、「(特に対人関係においては)手持ちの情報は非常に
>少なく断定は危険である」と考えて、「暫定的な結論」を立てながら追加される情報に応じて
>結論自体を変化、発展させていくしかない。
現実的な対応方法だと思います。私にはどうやら、途中経過という考え方が欠落していること
に気がつきました。(頭では分かっているつもりでしたが、やはりそれは断定でした。)
経過はあくまでも途中経過であって、経過を断定すべきではないという事ですね。
>「(特に対人関係においては)手持ちの情報は非常に少なく断定は危険である」
忘れないように心がけます。
こんにちは。
相手の意思と相談するということは、
具体的な例を挙げて言うと、『待っているのにメールの返事が来ない』という状況で、相手が返事できな
い事情を、『あの時こうだったから』などと自分で『断定』しないで、相手に直接『あの返事はどうな
りましたか?』とか『返事はいつ頃になりますか?』などと言葉で確認する。こうして相手の事情を『
言葉で確認』した段階で、『改めて自分の手持ちの情報を更新する』、ということになるのでしょう。
これができれば日常生活の困難さのかなりの部分が、軽減されると思います。
そのためには(相手の意図を聞くまでは)『断定しない』事を心がけることが大事になりますね。
ALIVEさんの書く『途中経過』という考え方は良いと思います。
yurinさん、ありがとうございます。
>そのためには(相手の意図を聞くまでは)『断定しない』事を心がけることが大事になりますね。
>ALIVEさんの書く『途中経過』という考え方は良いと思います。
外から見ていただき、指摘していただけたことで、すこし自身の認知改善のありようが
実感できてきたかなと思っています。
やはり「自分勝手な予測」や「断定」と決別することがたいせつな一歩であるのですね。
私自身、今の生きずらい状況を改善したいと思っていますので、一歩づつでも歩んで
行きたいと強く思っています。(現実にはまだまだ断定が働いてしまい、なかなか先には
進めず、停滞してしまいますが・・・)
どうもありがとうございました。