自己コーチングガイド各論② ADHDの自己理解そのE (刺激を求める)
E.ADHDの「刺激を求める」脳の特徴を理解する。
多数派は どんな対象に対しても、適当なときにある物事への注意集中を開始し、適当なときに切り上げ、また適当なときに再開することについて、まんべんなくコントロールが容易にできる。
逆に、あることに集中していても、いつでも切り上げられるように「脳の全体を使う」というような集中の状態にはならず、常に日常生活全体の中で「バランスよく」集中の状態がコントロールされる。
パソコンで言えば「システム全体を調整するプログラムが常駐して、一つ一つのタスクを適宜コントロールしている」というイメージとなる。
これに対しADHDは、注意集中も突然途切れたり、飛躍したり、時には集中しすぎて他のことが全く出来なくなったりと、脳の働き全体の調整機能がうまく働かない。
その結果「いくつものタスクがバラバラに調整されないで走り続ける」という状況となり、メモリが不足して突然シャットダウンしたり、スタックして他のタスクに移れなくなったり、全体のバランスが取れない。
私はこのADHDの脳の状態を「水の上に浮いたたくさんの丸太の上を飛び移り続ける」という風にイメージしているが、こういう脳を持っていると必然的に「刺激を求める」ということになる。
言わば「強い刺激で特定のタスクを呼び出す」「強い刺激で他のタスクを止める」という乱暴だが確実なADHDの脳の統御の仕方であると想像している。
ADHDは刺激を求める。ギャンブル然り、旅行然り、見通しが利かない冒険は刺激に富む。新しいものは最初だけは刺激がある。しばらくするとマンネリとなる。脳の関心は別の刺激的な対象へ移り、かくしてどれも長続きしない。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この困難さを克服する方法は、「何でも新鮮さを保つ」ということになる。少量のSSRIやリタリンなどで脳の働き自体を調節可能とするという方向性ももちろんあるが、環境を思い切ってADHDの脳に合わせるという方法もある。
「生き方全体が冒険」という生活や、「移動し続ける」という旅行はそれ自体が刺激となる。また一見平凡な日常でも、小さなことでも「意外な発見」があれば刺激になる。
興味のない勉強でも、興味のない家事でも、何か刺激となることに脳の中で「接続」すると、一時的には集中が持続する。そういう一時しのぎをたくさん用意して手を変え品を変え「目先を変え続ける」という方法は工夫してみる余地がある。
関連する道具をホームセンターや百円ショップへ探しに行く方法もあるし、女性の場合は新しい服を買ったり髪型を変えたりは常に有効であるようだ。
このあたりの気分転換の方法をたくさん持っていれば薬はなくてもある程度ADHDの脳がコントロールできる。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
こんにちは。 自分は小学生の頃からうっすらと自分がADHDではと疑ってきました。
10年経った今、こちらを参考に少しづつ自己診断やコーチングをさせて頂いています。
そこで気づいた点があります。
2006.11.04 自己コーチングガイド②記事では
”F.刺激を求める(ADHDの場合)、こだわり(ASの場合、偏食、服装、髪型や歯磨きなどの身体に関わるものなど)” とありますが
この記事では ”自己理解そのE(刺激を求める)” となっておりました。
EとFが似ていますので、もしかしたらと思い書き込ませて頂きました。
勘違いだったらすみません。
自己診断やコーチングを進めて行くうちに自分の問題点や、特徴がくっきり捉えられるようになってきました。
荷が降りて、息がしやすくなったような気がします。
もう少し自分の全容が見えてきましたら、先生にメールさせて頂くと思います。
そのときは是非よろしくお願いします。