ジャイアン型ADHDは衝動統制の障害である。「2歳レベルの衝動を我慢できない」という状態がジャイアンの「自然状態」であり、環境により二次的に別の障害に移行する。
以前にも書いたが、「ゴリ押ししたら全部通してもらえた」という環境では「衝動を我慢しない」という障害に成長する。人を困らせてコントロールしたり、強引にゴリ押しを続けて自分の衝動を通そうとする。通る限りこれを続ける。通す限りエスカレートする。大人になってDVの加害者になったりする。
「例外を一切許さない冷徹な合理的基準で律する」(鬼母)という環境では、「理由があるから我慢する」という超合理的なスタイルとなり、その結果は他人にも厳しく、自らをも一生涯責め続ける超合理的強迫的ジャイアンへと成長する。
「非言語的な威圧で押さえつけられて従わされた」環境では、「押さえつける主の顔色を徹底的に伺う」というプロセスの中で、「衝動は強い人が禁止するから我慢する」というスタイルを身に着ける。このスタイルは自分が強い立場に立てば「我慢しない」という結果になる。
さて、この「衝動を人にコントロールしてもらう」という状況で実は「依存」が帰結する。まあ自分だけでコントロールできないわけだから「依存的」であるしかないのだが、実際に強い相手の顔色を極端に伺い続ける行動が出てきて、どう見ても「依存的」という印象となる。
「スネオ」はジャイアンにいじめられながらも、ジャイアンの子分としての立場でノビ太よりも優位を保とうとする。ジャイアンに背くことは考えもしない。スネオ自身が自分の考え、自分の責任で何かを成し遂げるという発想にはならない。
いじめられながら、結局ジャイアンに依存している状態であり、「自立」することは出来ないスタイルなのだろう。
ちなみに「摂食障害」の一つの解釈は、「可愛い」だけで何でも衝動を実現できたジャイアン少女が、学童期や思春期に「責任」や「自分の考え」、「自立」などを求められて、責任を自分で負う不安に耐え切れず、「見た目に走った」という解釈も出来るように思う。死に物狂いに見た目にこだわる姿が非常に「発達障害的」であるからだ。
少し話がそれてしまいますが、境界性人格障害や摂食障害は治るのか?という疑問が沸いてきました。
少し前まで診察室にいたそれっぽい方達を最近見ないのです。
良くなって病院に来なくなったのかなと思ったのですがそうでもないらしい。
自分も完全に普通になったわけではないので、絶対治るかどうかがわかりません。
よくメディアで取り上げられるのは、今現在困ってる方達ばかりで、その後については描かれてないんですよね。
2歳児程度・・・。
私は自分が3歳児程度かと思っていましたが、
そういえば3歳児はもう少し後先考えれますね。(^_^;)
5年ほど前まで心療内科で摂食障害の治療をしていました。認知行動療法による治療でした。一般内科に転向したので最近の治療動向は知りませんが、今にして思えば発達障害の二次的障害としての摂食障害例も多かったように思います。「大学進学」「就職」など自分に「責任」がかかる立場に置かれたことで発症した例はよくありました。当時、摂食障害患者は「責任回避」のために「拒食」に逃避し依存していると考え、面接を通じて「責任回避」を遮断する方向で治療していました。しかし、今では、発達障害に直面化させて「二次的障害としての摂食障害」を面接で取り上げたほうがよかったように思われます。
残念ながら?私は容姿で得をしたと思える過去は今までありませんが、先生の摂食障害と依存型ジャイアンの関係性に関するご指摘は鋭いと思いました。ジャイアンはジャイアンを引き寄せるのか、今までジャイアン(それも依存型)とかかわりあうことが多かったと思いますが、面白いことに依存型ジャイアンは「かわいい」んです。そして一様に摂食障害の過去があるんです。食い意地の張っている私からすれば似ているようで異質な人たちでありました。