ADHD関連

自己正当化型ADHD②

 自己正当化型ADHDの難しいところは、「現実の経過の中で本人が困る状況になりにくい」ということだ。明らかに自己中心的で、合理的な反論にも耳を貸さないのだが、「悪気ではない」というふうに見えて、結局周囲の愛着を持っているASやACにフォローしてもらい続ける経過になる。

 周囲でフォローし続けるASやACの人は(多くはモラハラの形で)ダメージを受けるのだが、本人は当然のごとく表面的な価値観を主張し続け、長い時間そのままの関係が続く。非常に不健康な共依存のようなことになる。

 私はカウンセリングの中でACになった人々の親がかなりの比率で自己正当化型ADHDであるという形でこの人々の存在を発見した。その他にはパニック障害などの身体症状を訴える神経症の中によく見かける。

 治療の目的で完全に孤立するように環境調整をしてみたこともあるが、結局そういう厳しい治療をしても、周囲の「親切な人」が助けて孤立の状態を維持できなかった。

 本人が自分が変わる必要を自覚するのはそういうわけで現実の経過の中ではほとんど望めないので、私は「とりあえず周囲の人を助ける」ということを考えることにしている。周囲の人が何が起こっているかについて正確に理解し、自己正当化型ADHDに巻き込まれることを最小限にして、ACになっている人はACのほうを治す。

 私の実感ではこれと比べればASの人はずっとケアしやすい。少なくとも工夫すれば言葉は通じるし、信頼関係の中で変化する必要性も自覚できる。

 今のところ私が持ち合わせる治療のイメージは、「出来るだけ若いときに、合理的なモデルを採用できるように環境調整をする」ということだ。安易な宗教によく嵌るので、「ワンパターンでも丸ごとの答えとして合理的な認知を習得すれば何とかなる」という方法だ。


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コメント

    • yurin
    • 2007年 3月 11日

    私の母(自己正当化型)も、物理的には『孤立』しているけれど、結局親切な人数人が母の言うことに相槌を打ったり、話をきいてくれていて、なんだかんだで救われているから、結局改まらないのだろうと思います。
    もう、年齢が年齢だし『本人が変わる』ということも周囲が諦め、私も母のことを『反面教師』と思うことで母の存在をある意味『認めて』います。
    今年のはじめに、久しぶりに母とバトルになりました。1人で寂しい、どうして私は(今まで一生懸命やってきたのに)こんな目にあうの?など悲痛に訴えるので『本当にお母さんが一生懸命やってきて、みんながそういうふうに感じていたら、今のようにならない』『お母さんは自分だけが頑張って、他の人が頑張っていることを認めていないからいけない』などなど、なんとか母に気が付いてもらえるよう話しましたが、全く聞きいれてもらえず、ああ、やっぱりこの人は一生変わらないんだろうな、・・・と思いました。
    ケアする面ではASの人のほうが、というのには少し苦しいものがあります。やはり家族として、配偶者としてはASだって相当な曲者には変わりありません。『ああ言えばこう言い返し、こう言えばああ言い返す』。そんな不毛な会話にうんざりして『でも自己正当化型よりまし』と言われても、客観的に見たらそうかもしれないけど、でもねぇ(^_^;)・・・というのが本音です。骨を折って伝えるわりには何が変わるわけでもなく、またパートナーに対して自分が求めるものとのギャップにも苦しみます。
    しばらく会話の無い夫婦をやって、ここ数日、少しだけ何かが変わってきたような感じもあります。・・・もしかして変わろうとしてるのかも?などと期待してると、裏切られたときにショックなので、そういう期待はしないでおきます。
    母にはもう何も期待しなくても、夫にはどこか期待するのは、多分、自己正当化型とかASだからではなくて、『私が自分で選んだ人』ということ、それとやはり家族を思うから、・・・というだけの違いじゃないかなと思います。

    • yurin
    • 2007年 3月 11日

    母が自己正当化型ADHDだと思ったのは、先生のHPを見て『これはまさに私の母親だ』と、あまりの一致ぶりに絶句したのですが、反面、私は救われた気持ちになりました。
    やはり、『母親を見捨てた自分は親不孝で最低の人間』という罪悪感、また母を好きになれない自分が嫌でもありました。だけど母がそういう『難しい人』とわかって『私の感覚はおかしくなかった』と思えたからです。母に親切にする人から私は、親不孝な娘同然のことを言われて『何も分からないくせに無責任なことを言わないで』と、言いたくても言えなくて辛かったです。
    こうした自分の経験から、自己正当化型の人は、本人より『周囲の人を救う』のが一番大事かもしれません。母の場合、親切にしてくれる人に対しては『自分ばかりが不幸な目にあっている』と脚色して言ってるようなところもあって、本当に困ったものでした。そういうことから周囲が受ける精神的被害は相当なものがあることは、否めないと思います。
    安易な宗教にのめりこむ要素は確かにあります。『私は毎日感謝して仏様に手を合わせているから、いつか神様が幸せにしてくれる』というのが口癖です。
    母に対して私ができることは1つ、『真実を伝える』。反逆を覚悟で『親切にしてくれる人は、あなたがもう、どうしようもない人だと諦めて、ただ話を合わせているだけ。私はその人達に、感謝してもしきれない』と言ったら、・・・何故か黙っていました。

    • Mimi
    • 2007年 3月 14日

    実は前回の自己正当化型ADHDの位置づけにコメントしてからモチベーションがダウンしていました。
    当初ADDの娘の事から読ませて頂いていた皆さんのコメント内容が、最近知らずのうちに自分自身の過去分析へ、特にそれぞれの<自己正当化型ADHD>母親像のコメントを読んで幼児期を思い出し、強烈な退行現象的感覚を起こしてしまいました。
    今まで自分の周りには正当化型的な人物が周りにおらず、母だけが特殊な性格だと思っていましたが、他いくつかのコメントを読みながら、自分自身が語っている、幼い自分が語っているのを客観視しているようなとても不思議な感覚で、すごく暗く重い雰囲気でした(これは時たま昼寝をしてしまい太陽が沈んだ夕方時に覚醒するとこんな感覚があります)。
    多分よく言われる退行催眠時の感覚とはこんな感じなのかとも思いながら、あまりにこの状態でいるのが辛く、これでは駄目だと慌てて思考を切り替えるようにしました。
    先生がこのBlog上で行っている事は正にコーチングですね。
    多分この時どうするかで私の持つAC的なものが取り除かれるのでしょうか?それともこれはこれで割り切った方が良いのでしょうか。この様になった時の上手な対処法など知りたいで。

    • Mimi
    • 2007年 3月 14日

    上にアップした自分の事を書いた文章を読んであまりに誤字脱字が多くすみません。
    娘の事を客観的に書いている時と違って、自分の事を文章にしようと思うとうまく書けません。また気分も全く違います。
    もしかすると今まで自分の幼児期の頃の事はあまり人に語った事が無く、小学校6年生頃までの事は断片的に思い出したり、時々夢に出てきたりしますが、順序立ててうまく語る事が難しいようです。
    これからボツボツと時間を掛けて自己正統派型ADHDの母と自分の関係を客観的に見つめられるのかもしれません。
    とにかく自己正当化型ADHDの母の場合全く悪気はなく、平気で毒舌的に当然の事のように話したり、行動したりするので
    子供としては頭でそれを鵜呑みにしがちだったり(でも何かいつもしっくり行かない感情が伴う)今となってその発言に相当影響を受けて来たかもしれません。
    母のそのような態度は子供っぽくもあり、怒る人も沢山いたと思いますが、逆にそれを可愛らしいと思っている人もいたようです。
    そんな人達は母の沢山の失言、失敗行動をまたかと包むように見守ってくれ、長い間付き合ってくれているようです。
    なぜか、娘にしても母にしてもADHD特有の子供っぽい無邪気さ、悪気は全くなく、自分で計算して行動したとしてもすぐ先でつじつまが合わなくなってしまったり、嘘はばれるような嘘だったり。
    私もそんな母を丸ごと憎む事も出来ません。
    しかし幼少時は学校という小さな社会の中で多数派の先生方が言っている事と母が言っている事とのギャップで大分戸惑った時もあたようです。
    確か小学校低学年の時に、母の言っている事と学校で言っている事とどちらが正しいのか分からなくなり、学校か家庭かどちらか費やしている時間の多い方が正しいのではないかと真剣に考えた事もありました。
    うちの場合も父は無口な人で家にいても殆ど語りません。
    口論というか、母が一方的に父に理路整然と言っている状況を見て、幼いながらそんな父を可愛そうに思っていたかもしれません。
    その割に母は周りの人間には父がいなければ生きては行けない的な内容をいつも語っていたように思います。

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