AC、人格障害関連

衝動統制の障害

さて私のジャイアン理解はこうしている間も少しずつ進展している。

 ジャイアンの障害の根本は、「衝動統制の障害」であった。

 こう言ってしまえば当たり前の結論であるが、発達の流れを追ってみると、結局「衝動統制をどういう形でするか?」、非常に分かりやすく言えば「どうやって我慢するか?」がジャイアンの根本問題なのだ。

 状態A.2歳頃に泣き続けて親を困らせるジャイアン幼児は、「衝動を自分で抑えられない」状態で、状態B.依存型ジャイアンは、状態Aから「人が禁止するから我慢する」というパターンを身に着けたスタイル、状態C.超合理的強迫的ジャイアンは、同じように状態Aから「理由があるから我慢する」パターンを身に着けたスタイルと説明が出来る。

 もっと考えを進めよう。「中心志向」は、そもそも「一番の地位や特別にみんなから注目されることと引き換えに我慢する」という子供ながらのスタイルであるのかもしれない。

 ジャイアンを小さい頃に褒めすぎると、「褒められることと引き換えに我慢する」というパターンを身につける結果となり、「褒められに行く」ことを繰り返すしかなくなるということになる。親からするとコントロールはしやすいが、このパターンをインストールされた本人は大人になってから苦労する。

 そもそも一等最初から、「何か別の手段を使わないと我慢が出来ない」ということ自体がジャイアンの根本障害であるのだ。

 翻って多数派は、「空気」を感じる中で我慢することを覚える。ジャイアンはそれが出来ないから、「通るまで泣き続ける」とか、「異常に顔色を伺う」とか、「自分にも人にも異常に厳しい」とかの、偏った衝動統制のスタイルを身に着けざるを得ず、その結果ひずんだ価値観の形成の中で生きていく結果となるのだ。


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コメント

    • 黒すりごま(AS)
    • 2010年 3月 20日

    >ジャイアンを小さい頃に褒めすぎると、「褒められることと引き換えに我慢する」というパターンを身につける結果となり、「褒められに行く」ことを繰り返すしかなくなるということになる。親からするとコントロールはしやすいが、このパターンをインストールされた本人は大人になってから苦労する。
    母親にとって、この部分はなかなか難しいところですね。「甘やかし」や「ごますり」のような変な褒め方はしないとしても、ごく自然に感じた「感心」とか「感動」があるとつい人情で褒めたくなりますからね。
    適切な対応の「鬼母」はその人情を押さえて、淡々と関わるのがベストなのかもしれません。すべてを承知の上で「褒めてやりたい」けど「あえて褒めない」ことを実行できる「鬼母」はスケールの大きさを必要とされると思います。

    • 黒すりごま(AS)
    • 2010年 3月 20日

    (追記)
    私の子供は2人ともASなのに、「もし自分の子供がジャイアンタイプだったらどういう育て方をしたらいいのか」などと想像してコメントしてしまいました。何だかおじゃま虫が観念的なきれいごとを書いてしまったような気がします。失礼いたしました。

    • 龍涎香
    • 2010年 3月 22日

    はじめまして。30代後半の女性です。
    まさに状態Bの「人が禁止するから我慢」し、「褒められることと引き換えに我慢」してきた私はかつて真面目で優等生で通っていましたが、就労してから自分の生き辛い「個性」に直面し、就労が困難になるまで打ちのめされました。今は主婦という立場に甘んじて引き籠ることで一応の落ち着きを得ています。しかし内面の葛藤から逃れられるはずもなく、紆余曲折を経て漸くYANBARU先生のサイトとこちらのブログにたどり着きました。とても合理的な説明でまさに腑に落ちることが多く、自分自身の行動や思考の認知に大いに役立っております。
    依存型である母親の管理型共依存と母方祖母であるモラハラジャイアンのコントロール下で見事依存型となった私。今思えば合理的ジャイアンの父が唯一の救いでした。自分の特性を思うと就労することも、子供を持つことも怖く、得意の引き延ばしにかかっていますが、特に後者はタイムリミットが迫っている今八方塞です。
    自らの本質の理解と多数派の認知を学ぶことが急がれるようです。これからも拝読させて頂きます。
    長文失礼致しました。

    • 林檎姫
    • 2010年 3月 23日

    褒めて伸びるのが普通だと思ってました。
    適度な褒め方と褒めすぎの境がよくわかりません。
    自分ルールがたくさんあることは、わかってきましたが、そこからどうすればいいのかは、まだわからなくて・・・
    やっぱりまだ「普通」に未練があるのかもしれません。
    都合よく忘れる自分としては、ここを定期的に覗くことが訓練というか、認知の修正、自分自身の修正の時間になってます。
    ありがとうございます。

    • kame
    • 2010年 3月 23日

    >そもそも一等最初から、「何か別の手段を使わないと我慢が出来ない」ということ自体がジャイアンの根本障害であるのだ。
    うーん、ウチのだんなの言い訳そのものです。 
    仕事(職場への適応が難しい)のつらさを我慢する為に、競馬(手段)をしている‥とのこと。
    私もそのだんなの収入に頼って主婦をしているので、
    立派な依存状態です。
    この状態を金で維持しているうちはどうにかなるが、
    いずれは精算しはければならない時が来る。
    私は今のみを生きる、と割り切ってやり過ごす毎日です。
    書くとかなり悲惨は状況に感じますが、
    ぜんぜんそんな気がしていないのが、
    そもそもの自分の問題なのでしょうね。

    • むずかしい
    • 2010年 3月 23日

    ADDと診断を受けている息子ですが
    性格がとてもよく、ここでお悩んでおられる方の
    ような悩みはないのです・・・が、
    物忘れやLD、記憶や時間観念などは
    まさにADHDの特徴です。
    息子に攻撃性は見当たらないので
    益々指導が難しいのですが
    油断すると依存型になるのでは?と思い
    厳しくしています。
    (厳しいと言うのは虐待ではなく)
    最近気がついたのは
    ほめると「嫌、それほどでもないよ」と
    あまり喜ばず微妙な顔をするのです。
    これは自信のなさか?と思っていたのですが
    むしろ自己ツッコミ?合理性を
    覚えてきたか?と少し期待しています。
    これから伸びてくれるといいのですが・・。
    考え方自体は非常に公平で客観的です。
    合理的へステップしてもらうためにも
    私自身が子どもに依存しないように
    しないといけないですね。
    それが愛情でしょうか。
    私自信、自己ツッコミが激しいADD傾向ですが
    同時に頑張っているのか鬱傾向があります。
    それを頑張ってコントロールしています。
    依存しやすいのでそれも困りものです。
    でもそういった短所を知的にコントロールすることが
    できるのもADHDかなと思います。
    依存傾向が出たら私自信は
    素早く別のことへ興味を移すように
    強力に努力しています。
    (何かに頼りたくなりますが
    頼るとバランスを崩します)
    このブログをみて自分を戒め頑張りたいです。

    • すずめ
    • 2010年 3月 25日

    30後半になるのにまだヒステリーあげて泣きわめいたり、衝動押さえるのは難しいです。嫌なことが目の前にあると好きなことに行くとか。
    突発的衝動性についてはお手上げ状態です。
    あと「沈黙」の時間にたえられない。
    傾聴不能で寝るか話に割り込んで自分のトークのペースに強引に持ち込むか。
    ただ、衝動が出たとき、沈黙の時間にペンを取ることが許されるのならだいぶよくなります。
    衝動押さえる忍耐が弱いのですが衝動の方がでかいと感じるのが実感です。
    それが衝動と気づくのも後からだし
    難しいですね。ほんと困っちゃいます。

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