ADHD関連

家族の診断

 ここまで夫婦や親子の組み合わせについて書いてきたが、私が接するケースで、ADHDやASが家族の中で「単独」というケースは実は少ない。むしろ大半が発達障害で、多数派が家族の中では少数派になるというケースがよくみられ、「この人だけは多数派」と見えていた人もよくよく見れば発達障害であったという場合も多い。

 だから私は家族の発達障害疑いのことでメールで相談されるケースに、「ご家族にもいる可能性があります」と指摘することにしている。

 実際、二次障害の起こり方を理解するためにも、また家族がそうだるということは本人の診断の何よりも大きな根拠になりうるので、先に家族が自分自身の発達障害に気付き、理解することは大事なことだ。

 特に自己正当化型ADHDや二次障害の重いASの場合、本人に告知する方法には非常に慎重になる必要があり、その場合に、「まず家族の話として発達障害の情報を共有する」という方法は有効だ。

 また、告知する場合にも、容易に想像できるように、私自身がADHDであることは非常に有利に使える。「私もそうだが」と言えるからだ。自己正当化型でよほどの(ADHDから言うのも何であるが)無神経でない限り、当事者を目の前にして否認するわけには行かないだろう。

 子供が自閉症とか、相手がASやADHDとかを疑う場合、自分自身について自己診断をしてみることは非常に有益だ。


関連記事

  1. あるメール相談へのお返事111204
  2. ブログ上コーチング⑧ASの愛着
  3. ADHDには対等の立場が必要である
  4. 脳と身体症状
  5. 精神疾患に見える発達障害シリーズ④
  6. 孤立型AS
  7. 自己診断ガイド前書き
  8. 発達障害と解離性障害

コメント

    • yurin
    • 2006年 12月 26日

    マイノリティの親の子どもはやはりマイノリティの確率が高い、という事なのでしょうか。
    部活での友達とのトラブルから結局退部し、そのことがきっかけで友人関係が悪くなって登校拒否気味になった二女は、私の自己診断ではADHDでした。これをきっかけに家族を自己診断したら『全員発達障害』という結果になりました。
    現在二女の『学校へ行きたくない』は収まったのですが今度は『保健室登校がしたいから先生に話して』と訴えるようになってまた困った事になりました。理由は『保健室登校しているメンバーとは話が合って楽しいから』。保健室登校とは、教室へ行かず保健室で一日中過ごす事を言うのだそうです。
    私としてはいくら楽しいからと言って、教室で授業を受けないのはどうしても抵抗があって反対していたのですが、冬休み前には朝になると不機嫌で、他のきょうだいに八つ当たりするようになり、思い切って『保健室登校』を許すことにしました。
    まだ中学校生活も始まったばかりでもあるし、気の合う友達とある程度楽しく過ごすことができれば、気持ちに余裕ができて『自分と他者(友達)を見つめることができるかもしれない』と考えたからです。
    最終的には『教室に戻る』ことを目標にしています。それが『保健室登校を許す』条件だということも本人と話をしてあります。それまでに二女が自己を見つめ、理解し、『自分に自信を持って』前向きに生きられるようにできたらと思います。
    家族全員に発達障害が疑われるので、私もいずれは発達障害のコーチングができるようになりたいと考えています。
    アドバイスあれば宜しくお願いします。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP