AC、人格障害関連

人格障害とAC(アダルトチルドレン)

 AC(アダルトチルドレン)という概念は、学問的ではないけれど臨床的には便利だ。診断基準上は多くのACの人は「境界性人格障害」に分類されるが、そう分類することでの治療上のメリットは少ない。なぜならこの分類基準は、原因やどのようにして形成されたかとは無関係に表面上の特徴から並べているだけだからである。

 そういうわけで私は本人への告知および病態の説明としてはAC(アダルトチルドレン)という呼び方を利用している。このほうが家庭環境によって作られているという多くの境界例のケースの説明に合致し、また「ACの認知の修正」という枠組みで行動化を抑える治療に有効であるからだ。

 ところでACも境界例も、特に境界例の場合行動のほうが目立つためこの行動化への対応が治療と思われているが、逆に必要なことは「評価を過剰に受け取る認知の修正」である。

 家系図とアルバムを用いた養育環境の事実関係の徹底した振り返りで、多くの場合、「両親の間の問題を背負わされてきた」経過が分かることが多く、「両親の問題は両親に返そう」という認知の修正でACや境界例の不安は消失し、ほとんど治癒に至るケースは実際多い。

 (下記に詳論)

http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/acetc.htm


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コメント

    • おだまき
    • 2006年 8月 31日

    こんにちは。先生のサイトを知ることができて有り難く思っています。(わたしはAC・境界例のようです)。_______以前主治医によって「両親の問題は両親に返そう」というような認知の修正をしてもらったような気がします。そして今は、行動化というんでしょうか。台風の目になるようなことはほとんどなくなったように思います(あっても大降りの雨くらいの感じ….)。両親とはだいぶ意識的に距離を置けるようになりましたが、その後、どんな風に回復していくのが望ましいのでしょうか?今はまだ、世話を焼く相手をかわるがわる探したり、素晴らしい人だと思って近づいて、近づきすぎてがっかりしてもう付き合いたくなくなったり、習い事をしても試験を乗り越えられないでいます。
    夫はASの特徴を持っています(聴覚過敏,服装のこだわり,触感による偏食,他)結婚後しばらくして、夫に“家族として認められていない”というようなことを感じ、孤独に悩みました。一緒に暮らし始めて何年かの間は、私は夫にとって“愛着の対象”だったためか、私は“本物の家族を得た”と感じ、劇的に回復できて幸せでした。受け入れられたと感じました。ところがその後、(結果的に)愛着の対象を破壊する、行動を制限するなどしたためか、関係が壊れた___?一方、この十年というもの、夫は私の無能な点を指摘し続けてきました。
    一度失敗すると、また失敗するんじゃないかと疑って、失敗する前から「__○○はだいじょうぶか?」と聞いてきます。そして「○○すらできないでいて、云々」といって私の行動を制限します。発達障害のことを知ってからは、単にまた同じ問題が起こるんじゃないかと不安になって聞いてくるのだとわかっても、自分に自信が無いためか、自分でも不思議なくらい反応してしまいます。そうすると、夫は自分が“損なわれた”と感じるようです。私は新しいことに興味を持って挑戦していこうとしても挫折を繰り返すし、夫からは無能の烙印を押され続ける気がして。どうしたらいいんでしょうか……

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