ADHD関連

スティッチ

 ディズニーのキャラクターの「スティッチ」が好きなADHDが何故か多い。娘に聞いてみたが、最初は「強いところ」というが、よくよく聞くと「いたずらする」というところも好きなようだ。

 違法な遺伝子実験で作り出された「試作品」で、いろいろな高い能力を持ち理解だけはできるのに、言葉ははっきり話せず、「触れるものを全て破壊する」という特徴など、いろいろな意味で発達障害の自己評価に重なる部分も多いように思う。

 楽しかったり、はしゃいだり、本人は悪気は無くても、それで動きすぎて周りの物を壊してしまったり、人に怪我をさせたりして結局怒られてしまったというエピソードが時々出てくるが、これは発達障害の子供にとっては(大人でも)実際に繰り返し体験してきたこと「そのまま」だ。

 以前「ジーキルとハイド」の項でも触れたが、ADHDには「悪乗り」とも言うべき「滅茶苦茶やりたい衝動」のようなものがあり、それを野放しにしたら大変なことになることが分かっているので抑えながら生きている部分がある。

 スティッチはそういう潜在的な気持ちをアニメの中で実現してくれるところが好きなのかなと思う。

 ついでに言えば、「触れるものを全て破壊する」スティッチが、リロとの出会いで「居場所」を獲得して行くストーリーは二次障害の激しいADHDにぴったりでもある。スティッチは社会の中のADHDにそのまま重なるのだ。


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コメント

    • エイト
    • 2008年 7月 26日

    次男もスティッチが好きです。最後に買ったぬいぐるみがスティッチだったと思います。たまに顔をすりすりしています。
    悪気がなくて冬ならジャンバー、夏ならプールバッグなどブンブン振り回す癖があり、近くにいる子にあたって泣かせてしまうことはしょっちゅうです。
    あと授業中のストレスを発散するため?消しゴムや鉛筆をスティッチみたいにガリガリかじります。
    教室を抜けだして図書室のソファーのほころびから手を突っ込んで中身をだしてしまったこともあります。(本人は中がどうなっているのか知りたかった、と言ってます)
    飼い犬をかわいがりたいのに動きが粗暴なので犬に警戒され、触ると咬まれます。
    クラスの少数派タイプの子とはいつもトラブルになります。
    次男が好きな子(男の子)はどうみても多数派です。
    こうして書くとスティッチとかなり重なりますネ・・
    私はリロが少数派かな?と思ってみていました。
    必ずしもみんなと同じじゃなくてもいいんだよ、というメッセージを感じます。
    あと私はシュレック1をみているととても共感できます。
    森の奥の沼にひとり住んでいて、何の不自由もなくて、寂しくもなくて、仲間も必要なくて、結構愉快に暮らしている。
    しつこくつきまとうドンキーを突き放して来るものは拒まず、自分の目的だけ達成できればそれでよしとするところ。
    裏も表もないところ。
    たぶんシュレックはジャイアンです。
    でも私は自分ではフイオナ姫(プラス20歳)のつもりです。

    • あおがえる
    • 2008年 7月 26日

    ”居場所を獲得していく”ってところに惹かれました。
    居場所があれば、行動や情緒は安定してくるのだろうと想像します。
    発達障害者だけでなく、社会に多くの人の居場所を作って欲しいです。

    • ソルト
    • 2008年 7月 27日

    初めて書きこみさせていただきます。
    自分でADHDの要素を持ってるんじゃないかなと感じているソルトと申します♪
    スティッチ可愛いですよね。いたずらしちゃうところ、共感してしまいます。
    最近では「崖の上のポニョ」のポニョもどうでしょうか?
    あれだけ自分の衝動に素直に生きれるなんてめちゃうらやましい。。最近では毎日、ポニョの歌を口ずさんでま〜す。

    • あひる
    • 2008年 7月 27日

    うちのジャイアン娘はスティッチが苦手みたいです。
    歯が怖いとのことです。
    (私がジョーズというサメの映画のDVDを何度もみたからだろうか?)
    そのすぐ後にやっている鬼太郎は好きなのに。

    • クリスチーネ
    • 2008年 7月 27日

    スティッチはADHD的ですが「飼い犬のふり」ができるのが大きいですよね。
    同じディズニーキャラではドナルドダックもADHD系のように思えますがいかがでしょうか?
    やはり性格が災いして揉め事ばかり起こしていますが、こちらはスティッチのように見ていて楽しめません。なんだか自分の失敗を再現されているようで非常にイラつきます。

    • 匿名
    • 2008年 7月 28日

    ジャイアンの小生も大好きです。キャラクターグッズいくつか持っています(娘用ではなく自分用)。はちゃめちゃなところも好きですが、最後に優しさと愛をおぼえてハッピーエンドになるところが一番好きです。

    • you
    • 2008年 7月 28日

    そもそもこちらのHPに辿りついたのは、息子が園から「発達検査を・・」と指摘されたことから悩んだことが始まりでした。すると、息子のことより夫そのものではないかという人物像が展開されていて、夫が成人発達障害なのかもしれないと知った経緯でした。
    ジャイアンと思しきパパを持つ息子ですから、ジャイアン要素があってもおかしくないのですが、調子が良い(定型発達そのもの)時と、調子が悪い(と園側の表現=集団保育から外れて荒れる)時と、波があって、プロでも何が影響しているのか見当がつかない、母の私も何がトリガーを引いているのか、なぜこんなに自己主張が強いのか、悩んできたわけです。4歳になってからは、急に落ち着いてきて、同じ課題をやらされるお絵かきなどは勝手に教室を出てってしまう、くらいになりました。定型なのかどうか、観察中です。
    夫がおそらく抗うつ剤の過剰投与で攻撃的だった時期が最も息子も不安定で落ち着かない行動が目立ってリンクしていました。夫と別居を始めた当初の数ヶ月もおそらく私のストレスが影響して息子は集団生活にほとんど適応していなかったようです。が、私が色々な試行錯誤と周囲の人の助けで安定を取り戻し、子どもに「大好きだよ、愛してるよ」と抱きしめることを毎日するようにしたら、急速に安定したのです。子どもは親の波動のようなものと完全にリンクしていると実感し、特に母親が安定し愛を伝えることが必要なのだと空恐ろしくもなりました。また、調子急に良いのですが何かありました?と先生から聞かれた日の前は、決まって珍しく夫が公園などで比較的長時間相手をした時でした。父の役目というのも大きな影響がありますね。
    さて、前置きが長くなりましたが、そんな息子は、ディズニー番組が大好きです。スティッチもザッピングしないで集中してよく見ています。が、「耳が好き」というだけで、特に思い入れはないようです。
    グーフィー(おそらくADHDキャラですよね、いつもアクションでかすぎて失敗する)については「僕もグーフィーみたいに失敗ばかりするんだよ」とかコメントしてます。親近感あるのかな。
    一番好きなのは、ミッキーだそうで、定番でした・・・。

    • むーん
    • 2008年 7月 28日

    今晩は、自己突っ込みが激しすぎて辛いので、スレッドから逸脱した内容を少々・・・
    私は、「カウボーイビバップ」なるアニメに出てくるエドという少女(少年にしか見えないんですが)がADHD的に思えます。天才ハッカーなんだけど、言葉がいまいち不自由、どこか抜けてて、天然。
    スティッチ、早速ネットの動画で見てみましたが、リロがやっぱりいいですね。ちなみに、自分はまだリロに出会う以前のスティッチのようにも思えます。・・・小さい時から、あまり肉体的には多動ではなかったのですが、口が減らずに周りを振り回すところは、大昔から変わんないですね^^;。

    • you
    • 2008年 7月 29日

    ドナルドダックのキャラクターって、確かにドタバタしていますが、私は、どちらかというと「こだわりの人」っていうイメージが強いです(しかしそもそも声が特殊すぎて何言ってるかわからない)。なので、AS?に近いのかな、なんて思う部分もあります。
    AS系といえば、プーさんに出てくるラビット(時間にうるさい、決まった日課をこなさないと怒ってしまう、ルーズな他キャラの行動にいつもキレている)がそうかも、なんて分析してしまいます。
    ウォルト・ディズニーは、ADHDだった、と確かどこかに書いてあったような記憶があります。彼が生み出したキャラクター達は、生き生きとしていて、型にとらわれず、やはり健常脳ではあの世界はあり得なかったわけで、人類の偉大な功績に近い気がします(大げさ?)。ディズニーランドなどのパークも実際に創ってしまったわけで、すごいエネルギーだと思います。
    子どもたちがディズニーキャラクターに夢中になるのも、そうした「発達の色々な型」が滲み出て、無垢で純粋な何かに共感するのだと思います。
    ちなみに、ポニョも、息子、はまっています・・・
    すでに3回!も、せがまれて見に連れて行きました。
    スタジオジブリを見事に儲けさせています、戦略ターゲットど真ん中です。
    ダイナミックな波のシーンや、ポニョが変身したり魔力を使うのがイイらしいです。車で疾走したりボートで探索するなど、乗り物を多用して子ども心を掴むのがうまいですね、宮崎監督。
    しかし大人の目からみると宮崎作品は「またこれか」というパターナリズムになってしまっているように思います。勇敢で強いサッパリとした女性像、全てを包む母性像、両親のどちらかが不在だったりする寂しい主人公設定、水に沈んでしまう状況設定、などなど。
    とはいえ、迫力と絵の持つ魅力、しっかりしたストーリーは、やはり世界の宮崎、なのですね。
    訴えたい核心もよくわかるし、安定した秀作を作り出し続けるのはすごいことです。
    日本のアニメーションは哲学と思想があるので、ディズニーなどとは異なる魅力があります。

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