AC、人格障害関連

最近の講演6月29日

平成22年6月29日 中部福祉保健所「野菊の会」講演

       地域精神医療の現在とこれから

1.入院中の当事者の高齢化
●入院中の当事者は平均年齢が60歳に近づいている。長期入院のほとんどは同じ人が入院したままで年を取り、若い人は入院しても長期入院にはならない。

2.「精神病床を減らす」流れ
●急性期治療をする精神科病院は生き残り、ただ生活場所になっている精神科病院は病棟を減らして老人保健施設のような施設に変わっていくだろう。(医師や看護師の数が少なくコストが安い)。

3.福祉サービス事業所(自立支援法) 
●三障害合同(知的、身体障害との)の流れで、以前の「グループホーム」や「授産施設」から入所型の事業所が増え、地域での生活場所(退院先、生活訓練の場)はむしろ増加している。
●就労継続支援A型(旧福祉工場)のような最低賃金を支払える施設は最近増えている。(「希望の大地」など)。
●障害者就労の合同面接会 精神障害者も障害者就労にカウントされることになり、ここ数年秋に県内でも合同面接会が行われている。

4.精神科病院デイケアへの回帰現象
●30歳代で就労した当事者が40歳代に入り病院デイケアに戻ったりする。
●精神科病院が当事者を「囲い込む」傾向の強まり。(病棟縮小の流れから)。
●精神障害者地域生活支援センターの利用がむしろ減っている。(北部の場合)。
●「つどい」の活動の停滞。ふれあいセンターは依然孤軍奮闘している。

5.若い統合失調症当事者の「軽症化」
●若い当事者の新規の精神科病院への入院は激減している。「統合失調症はどこへ行った?」。
●心療内科で軽快、ニート、引きこもりの状態で経過するケース 「手帳も作らない」。
●新薬の登場 「エビリファイ」等。入院する前に外来で軽快する。
●発達障害や知的障害との鑑別。

6.ACTへの流れ
●デイケアでもまだ医療費は高い。(デイナイトケア10000円/日)
●入院施設は減少、心療内科クリニックの増加
●入院期間も短縮、急性期治療のみで地域に帰る
●身近なステーションから精神医療の専門的なサポートが個別のプランに基づいて受けられる。

7.家族会は何をするべきか?
●福祉サービス事業所の動きとの連携
●ニート、引きこもり等の家族との連携
●当事者の「つどい」の活動の支援
●家族同士の自助の会の原点に戻り再活性化する。

 平成22年6月26日 ノーブルメディカルセンター 精神保健指定医 後藤健治


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コメント

    • ミミコ
    • 2010年 7月 18日

    初めまして
    デイケア、デイナイトケア職員・看護スタッフですが発達障害者を理解していなくて残念です。沖縄県では、デイナイトケアなどがどんどん出来ているのに職員、看護、スタッフなどが発達障害「アスペルガー症候群・ADHD・LD障害」について対応・理解されていない。沖縄県の那覇市、宜野湾市、沖縄市などがデイケア・デイナイトケアがどんどん出来ているのに職員・スタッフ・看護の人が発達障害について勉強してほしい。対応が遅れている。中にはからかう職員・看護などもいます。 県・国の協力で一人でも発達障害者を理解が出来る人(看護・スタッフ・職員)を置いてほしい。
    中には、デイナイトケアで12000円を取る所もあります。
    職員、看護、スタッフも年輩の人が多い。
    どうやって私たちの発達障害を理解しているのかどうかYANBARU先生で考えてほしい。ブログで取り上げてほしい。
    沖縄県発達障害者支援センターですが大人の発達障害を見る嘱託医ですが6月以降はどうなっていますか?
    その後を教えてほしい。 ブログで状況を教えてね。
    大人の発達障害などですが予約が取れにくい。1ヶ月~2ヶ月は大変です。 前の支援センターは予約が1ヶ月以内に取れていた。 大人の発達障害を見る嘱託医もどうなるでしょうか心配です。嘱託医もどうなるでしょうか心配です。

    • ミミコ
    • 2010年 7月 18日

    YANBARU先生へ
    >中には、デイナイトケアで12000円を取る所もあります。
    ◎12000円の意味はデイケア&デイナイトケア1日で12000円です。
    >県・国の協力で一人でも発達障害者を理解が出来る人(看護・スタッフ・職員)を置いてほしい。
    ◎デイナイトケア&デイケアなどに置いてほしい。国、県、研修などで言ってほしい。取り組んでほしい。
    看護、職員、スタッフは発達障害者「アスペルガー症候群・ADHD・LD障害など」の理解されていない。看護、職員、スタッフなどが発達障害者に冷たく対応されたり、からかわれたり、イジメなどをします。
    沖縄県は那覇市、沖縄市、宜野湾市などに就労移行支援場、デイナイトケア&デイケアが出来てうれしいですが発達障害者を理解しなければ意味が無いです。看護、職員、スタッフがもっと発達障害などについて勉強をしてほしい。対応、対策に強化してほしい。先生など専門化が連携して県と国に言ってほしい。 デイケア&デイナイトケアなどの職員、スタッフ、看護の人ですが年輩が多くて若い人の気持ちを分からない。 発達障害について口だけ理解しても中身が理解しないと意味が無いです。
    国・県・デイケア・デイナイトケアがしっかり強化してほしい。取り組んでほしい。YANBARU先生などがやってほしい。
    大人の発達障害者の居場所作りである「NPO法人さぽーとせんたーiから」が那覇にオープンしたが那覇の人しか受け入れなくて残念です。中部(沖縄市・うるま市)に作ってほしい。
    多くの人がYANBARU先生が中部・那覇で診察してほしい。望んでいる。戻ってきてほしい。
    沖縄県発達障害者支援センターで大人の発達障害者嘱託医がどうなるのか心配です。北部まで遠いので中部・那覇でどこかで大人の発達障害者の嘱託医をやってほしい。YANBARU先生が一番です。NPO法人などでも嘱託医やってほしい。YANBARU先生を応援しています。最高な先生です。大人の発達障害者などを理解が出来るのはYANBARU先生しかいない。 戦力外通告されても先生が取り組んだ事で多くの人が救われた。患者を助かっています。
    YANBARU先生にがんばってほしいです。
    「YANBARU先生、ありがとう そしてガンバレ!!」

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