AC、人格障害関連

親の責任④ ジャイアンの子の「環境」として

親の責任④ 子供がジャイアンの場合の「環境」として

 ジャイアン(自己正当化型ADHD)は小さい頃から口が達者で、強く繰り返し主張する自己主張する能力を持ち、まともに言い合った場合、無理矢理の屁理屈に大人でも押し切られてしまうこともある。

 他方ジャイアンは家庭や職場などその場の「力関係、誰が一番力を持っているか」に対する鋭すぎる直感を持ち、その「力を持つ人のやり方をそのまま真似る」という特徴的な行動パターンをもつ。その結果「他の子を誉める」ということが非常に有効なのも特徴的だ。

 だからジャイアンの教育は「どうこう言うよりも、環境として親がモデルを示す」ということが重要だ。

 例えばDVの家庭なら暴力を振るっている人が一番力を持つので、ジャイアンは力で他の人を押さえつけるスタイルを身に付けて育つ。

 例えば親夫婦の間のコミュニケーションがどんな形であるかとか、依存関係がどうであるかとか、そういう子供と直接関係ない「環境」としての親の「行動」をジャイアンは良く見ている。「親の姿が子供からどう見えているか」が大事なことだ。

 だから子供がジャイアンの場合には、親には特殊な責任が生じる。ジャイアンほど親の姿を見て育つ子供はいないからだ。またジャイアンは努力して評価を得るパターンを身に付ければ「努力家」になり、暴力や人格障害ばりの非言語的な武器を振り回して周囲の人をコントロールするパターンを身につければDV加害者や人格障害様とも育ちうるからだ。


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コメント

    • たかこ
    • 2007年 11月 06日

    ジャイアンに限らず、知的能力の高いASも親子であれどんな関係から自分に都合の良いパターンを身につける事は簡単ではないのでしょうか。
     
     友人の兄弟が、自閉性の障害と診断され、てんかんの薬を服用していますが、逃亡劇事件をよくおこしていました。
    正月に歯が痛くなり、歯医者に行くために母親から保険証を受け取ったのをきっかけに、(以前サラ金に手を出したため、保険証は母親が管理していた)そのままサラ金で大金を借り、東京に行ってお金を使い果たして自宅付近にもどるものの、家に帰る事はせず、近くを見つかるようにわざとうろついて家族に発見され、自宅に戻らされる、という逃亡事件をたびたび起こすというものでした。
    知的に高い水準であっても、このように視覚(保険証を見た事)をきっかけに、刺激にとびついてしまうというようなことが起こっていて、それに
    いろいろな言い訳をつける事ができるのではないでしょうか。その言い訳が通る限り、その行動は継続され、周囲としては、その上の段をいかなければならないのではないでしょうか。知的に優れた人たちには、依存しないさせない、振り回されない、だけどそばにいる、というような人格障害に対するような対応と、追いつめられた状況の両方が必要な気がします。
    自閉性障害の視覚刺激によるパニック、躁鬱病の躁転、側頭葉てんかん発作前の幻覚(デジャヴュ)など、なにか関連があるような気がしますが、わたしの知能では解くことができません。ただ主人(AS)のパニック様の状態を見ていると、以前みたことの再現(ビデオテープの再生)のような感覚だけは確かにあるのです。それは裏返っているというか、ネガとポジはそのときによって自在に入れ替わっている気がします。
     
    ジャイアンと受動型ASの違いがいまいち理解できていないのですが、ADHDとASのイメージの違いはADHDが前提にあって、それがリバーシブルになっているのがASという感覚があります。ADHDの人はこちら側にいますが、ASの人は向こう側にいるという感覚で捉えています。

    • ゆう
    • 2007年 11月 07日

    やんばる先生、又難しい事を・・・。
    ASでジャイアン(口が達者で、強く繰り返し主張する自己主張する能力を持ち、まともに言い合った場合、無理矢理の屁理屈に大人でも押し切られてしまう)を持つ息子と、知識があっても思考に問題があり、コミュニケーションを上手く取れない(表面的)夫を持つ場合は・・?
    家族以外の手助けが必要って事でしょうか。

    • hikari
    • 2007年 11月 08日

    『良い環境』と『悪い環境』の意味が、分かってきました。
    自然環境ではなく、『親の生き方』がここで云う『環境』だったことに気が付きました。
    ジャイアンの子?だとして、子供は親の真似をする、と言うことなのかな、と思いました。
    『悪い環境』の中で、いくら考えても改善しませんでした。
    『悪い環境』から、一旦、距離を置いてみようと思います。

    • 匿名
    • 2007年 11月 11日

      これはもう,この通りと思いますが,問題は個々の人で,程度がどの程度かと思われます。
      大学紛争を起こした年代の人たちの中には,何でも,言わなければそんとばかりに,明らかに,間違った情報を根拠に,声だかに言い張る人も少なくありません。
      程度が軽くても,発達障害のまま,大人になって,あらゆる分野で,責任ある立場での運用に,困ったことになって来た日本があるのではないでしょうか。

    • chobibi
    • 2007年 11月 13日

    私の場合、母がADHDの傾向が強いのですが、
    幼少期の自分の行動を考えると自分自身にも疑われます。
    それでも、小学校入学後良い先生に恵まれ、
    親の言動が正しくない(特に多数派にとって)場合が多いということを教わりました。
    実際には私の行動及び母の言動を否定するという形での指導でしたし、
    当時かなりつらい思いはしましたが、それでも私の行動や
    考え方はずいぶん多数派へと修正されました。
    私が自分自身も発達障害であったとしたら、
    やはり「自分の言動が世の中では受け入れられないことが多い」
    ということを気付かせてくれた先生に感謝しています。
    またこちらを読んでみて、親に変化があった訳ではないので、
    私が親及び自分の言動の間違いに気が付いたということは、
    私自身はADHDであったとしても、少なくともジャイアンではないのかなあと思いました。
    他のタイプの発達障害の場合は親というものはどう影響するのでしょう?
    それとも、私自身は小さい頃は親の言動に疑問を感じずに
    真似をしていただけということなのでしょうか。
    その母は年をとったせいか(もう老人です)当時以上のADHDぶりです。
    その言動をフォローしながら暮らしていくのは、とても苦労します。
    親の責任③のコメントを拝見して、発達障害のお子さんの教育についてのいろいろな苦労を感じました。
    それでも、教育することがもう不可能で、
    キレたら寝たきり老人への可能性もなどと思われる
    年老いた発達障害の親との暮らしを考えると
    皆さんの方がたいへんながらも希望を感じられるような気がします。
    それでもお子さんが発達障害の場合は多数派のお子さん以上に、
    親の接し方次第でお子さんの将来が変わっていくというということですので
    親にとってはかなりのプレッシャーだとは思います。
    自分の言動が世の中では受け入れられないことが多いということ、
    それは家族であっても、どんなに親密な関係でも
    程度の差はあれ同じなのだということ、
    この先一生そのことに気付かずに暮らしていく
    私の親に私は絶望を感じます。
    だから、どうかみなさんそのことに気付かせてあげてください。
    そして、あなたの言動の「すべて」が受け入れてもらえないという事では無いということも...

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