AC、人格障害関連

ジャイアンと逆境

 最近よく考えるのだが、ジャイアン型ADHDにはよく言えば「生き抜く力」「たくましさ」がある。悪く言えばエゴであり、自己中であるのだが。
 
 家族歴を聞く際に、例えば相談者の親族の生活歴を詳しく聞くと、異常な虐待の環境やいわゆる逆境、例えば「略奪婚」のように親族全部を敵に回すような状況とか、経済的な窮状、継母からの虐待などの環境で、実にたくましい生命力を発揮して、その人自身の人生は非常に立派であるケースをよく目にする。

 実はそういう逆境で立派な人生を歩んだ人の子供に相談者が多いということが問題であるのだが。

 「親で大変」、「子供で大変」、「経済的に大変」なジャイアンは実は非常に生き生きとしている。逆境であればあるほど力が湧いてくるかのようだ。

 逆に、恵まれすぎている環境ではジャイアンは「丸投げてきな依存性」のためにどんどん何も出来なくなってしまう。
 代わりにやってくれて自分が責任を負わなくて良いような場合はジャイアンはどこまでも責任を丸投げして考えず、動けず、典型的には家事も何もしなくなる。

 「逆境が無いと病気になってしまう」というのに近い。ひとつはうつ病で、寝たきりで意欲が低下し、何をするにも不安で誰かに頼ろうとすることが多い。
 もう一つは(自己免疫疾患が多いが)身体疾患で、「身体疾患で苦しい」状況になり、結果的に逆境になって安定する。

 ジャイアンは発達障害の脳の働きの直接の結果として、根本的には不安が強く、自分で責任を取ることから逃げようとする傾向がある。
 小さい頃から依存(実は利用)できる相手が居ればちゃっかり依存(利用)して自分で考えたり努力しなくなってしまう。

 ジャイアンの子供には、現実的な苦労をさせよう。甘やかすのが最悪で、本人も周囲の人も全てを不幸にする。
 誰も助けてくれない状況で、自分の頭で考え、自分の力で乗り越えていくしかない状況の中に放り込んで、その中で現実的に自信をつけさせることがジャイアンの子供を育てる上で最も重要なことであると私は思う。


関連記事

  1. 依存と自己突っ込みの関係
  2. マザコンのジャイアン
  3. ジャイアンか病気か
  4. ADHDケアの第一原則
  5. 連合の学習障害
  6. ASと想像力⑨ ADHDははっきり言おう
  7. 依存型ジャイアンの「弾ける」時
  8. 受動型ASDのカウンセリング

コメント

    • まこりん
    • 2009年 11月 09日

    初めて書き込みます。
    いつもここのブログや、やんばる先生のHPを見て勉強させていただいています。
    自分自身はADHDかアスペルガーどちらかわからないのですがなんらかの発達障害はあると思っています。
    ADHDに逆境が必要なのは同感です。
    要はストレスによって脳が覚醒するんじゃないでしょうか
    よく追い込まれるとか言いますよね、危機的な状態になって初めて意識を集中させることができるような気がします
    でも度がすぎれば脅迫観念やトラウマになるので一丁一端なんだろうなとも思います。

    • YK
    • 2009年 11月 09日

    ジャイアンの子供には、現実的な苦労をさせよう。甘やかすのが最悪で、本人も周囲の人も全てを不幸にする。
     誰も助けてくれない状況で、自分の頭で考え、自分の力で乗り越えていくしかない状況の中に放り込んで、その中で現実的に自信をつけさせることがジャイアンの子供を育てる上で最も重要なことであると私は思う。
    そのとおりのようです。
    スクールのみんなの前で、先生から、
    アイコンタクトがとれないことや人の中にいるのを避ける態度を、「それは防衛、イメージです。練習しましょう。」と言われました。
    あれだけ説明して、
    あれだけ理解してくれたと思っていたのに・・・。
    甘かったです。
    「人が好き」人間をインストールしてがんばってみるしかありません。
    逆境は苦しいのに、
    脳が活性化してきて、
    柄英、どんな手段使っても進級してみせると、
    興奮して、どこか快感の自分がいます。
    自爆か超人的達成か、
    とてもリスキーな賭けにでます。
    結局このパターンから抜け出せないんです。

    • Sakura
    • 2009年 11月 09日

    耳が痛いですね。
    私の母は、私が子どもの頃、家庭科の宿題を忘れると
    翌日には予定の箇所まできっちり縫っておいたり、
    忘れ物をして電話すると持って来てくれたり・・・。
    そういう行き届いた(甘やかす)人でした。
    もちろん、弟に対しても。大人になっても。
    我が娘も、おそらくジャイアンです。
    彼女の生きづらさが私に似ていてわかるだけに、
    私はつい手を貸し、レールを敷いて来てしまいましたが、
    最近、これこそが私の母と同じ行動だ!!と気づきました。
    痛い思いをして自業自得を自ら味わってみないと、先へは進めないのですね。
    そういえば、私の知っているお子さんで、やはりジャイアンだと思いますが、ありったけの考えうる支援機関をつけているのですが、支援先で彼の課題は「受容」されてしまい、お母さんもそこへ丸投げして自分の課題を修正しないので、救いようのない状態になっています。
    自分の子、というよりは社会の子、という感覚で育てるべきなのでしょうね。

    • あまがえる
    • 2009年 11月 10日

    これは僕にもあてはまります。
    実際に僕の場合は、成功している環境を避けるという行動があります。
    逆境の中で試行錯誤切磋琢磨している時でないと、社会的に紳士な態度にはなれないです。
    恵まれて良い環境では悪質な性格になってしまう。
    逆境を作って自分の技術を伸ばすというやり方で、能力を充分に引き出せ、且つ元気に過ごせることはわかっているので、ひたすら努力する日々は好きです。
    しかし、努力が実ることをひたすらに回避しているので、
    近い将来もどうなることやら。。。

    • mario (AS)
    • 2009年 11月 10日

    私の元嫁さんの話で恐縮ですが…
    これを読んでビックリしたので…
    子も手放して離婚すると言う逆境を乗り越え、恋人と新居を構えて(同棲して)安定したのかと思いきや、先生の書かれた通りに自己免疫疾患を発症して苦しんでいる様子です。
    ジャイアンにはそこまで逆境が必要なんですね…

    • K
    • 2009年 11月 14日

    自らの成功体験で、これを実感しています。
    私はジャイアンとして、生き辛さをずっと感じてきましたが、今は毎日が楽しくて仕方ないです。
    私が自らに課したのは、常に新しいこと・面白いものにチャレンジし続けること。
    その上で、仕事に結びつくよう、時流を感じる努力をすることです。
    今年一年で、たくさんの新しいことに挑戦しました。
    「子どもに関わる仕事をする」
    「英語を勉強する」
    「リーダー職につく」
    どれも、はっきり言って逆境でした。
    子どもの相手なんて嫌いだったし、英語も覚えたくなかった。人間関係が面倒だったから、リーダーなんてとんでもないと思っていた。
    だけど、やってみたら違ったんです。どれも短期完結の仕事だったため、その仕事をマスターするために、必死で過集中しました。
    その結果、どれもものすごく楽しいと感じて、すべてに生きがいを見出せる結果となりました。
    英語なんて、感情先行の文法に気づいてからは、海外ドラマを字幕無しで観ることに喜びまで感じています。
    感情に素直に生き、余分な気苦労を背負わない生き方。
    逆境の中にいなければ、そういう状況を作り出すことに価値があると思います。
    周囲から見たら「新しいことにチャレンジしている魅力的な人」と写るので、自己評価も他者評価も下がらずに生きていけます。
    前向きに、ジャイアンを楽しみましょう!

    • ぴよよ
    • 2009年 11月 14日

    >実はそういう逆境で立派な人生を歩んだ人の子供に相談者が多いということが問題
    こういう感じの子と、昔むかしつるんでいたことがありました。
    思えば私は、“逆境”で養育された後遺症を癒す追体験道具の一部だったのでしょうか?
    失礼なw
    お互い子どもでしたし、子どもとはつるむ生き物なので、昔の自分を恥じたり責める気持ちは今の所ありませんが。
    このブログを読んでいないジャイアンジュニアの皆様、“逆境”求め被害克服計画を立てて実施場所を探すのは良いのですが、これからの時代、出来るならもう少し上手に探してくださいと言いたいですね。
    過ぎた過去は仕方がないとしか言えませんが。
    優秀なのですが、可愛げもあるのですが。
    苦労を背負っては聞かせたがり。自分の苦労は自己理解しようとするけれど、私や他人の個人の苦労がいまいち目に入らず。
    自分の苦労や努力で精一杯。他人にも優しい人間であろうとしているけれど、今思えば限界が来るのか、受けとめる前にチョロチョロと・・・。
    子どもにそこまでの高い共感能力や客観性は求められませんけどね。
    ちょっと疲れました・・・。

    • こずえ
    • 2009年 11月 15日

    逆境でなく優位に立つことが必要ということもあるのでは。
    すべてにおいて優位に立つことが生きているという証で、すべてのものを思い通りにしたいのなら、その行く末はいったいどうなるのでしょうか。
    優位に立つために終始をおとしめられ、思い通りにしたいためとしても、支配され自己の尊厳がたたきのめされたとしても、近づいて離れなかった自己の責任だと納得しなければなりません。
    優れているものを征服することで自分の欲望を実現するための道具として近づかれ利用され捨てられたにしてもです。
    前に進むことはできますが、そのことを真に受け入れることはとてもつらいことです。
    なんの価値もない人間として誰にも認められず生きていく方が楽なのではないかと毎日思います。

    • ぴよよ
    • 2009年 11月 19日

    日を置きましたが、続けます。
    上記の子との関係は、その子が友達関係の自然消滅の振りをしてたぶん計算尽くで離れていきました。
    私と口を利きながらびくびくするのが分かりました。自分にとって損な“ぴよよと同類”と、周りの人達に思われて軽視される可能性と、自分を守ることしか考えない裏表のある自己中心女と周りの人達に思われる可能性を、一瞬で顔を引きつらせて比べている様は、ストレスフルでした。
    永遠に正解の出ない生存競争です。
    誰にでも良く思われなければならない戦争です。
    多数派と、多数派から外れていたとしても自分の意志で自分の殻に籠もっているわけではない人達にどう思われるかで、各々の立ち位置が決まる、計算と偽善をフル稼働させたポジションの生き残り戦争です。
    個性を出し過ぎても駄目。個性を隠しすぎても駄目。自分の意志が無さ過ぎても駄目。自分の意見をたまに出し、その場の女の子全員の腹の底で査定を受け、合格しなければ駄目。しかし常に優等生な言動をしても駄目。心を開いて自分の個性を出している振りをして皆の期待に応え、自分のキャラを理解した言動を繰り出し、その場の空気を一定の安定した濃度に必ず保たなければならない。空気にわずかな緊張感でも刺した者は犯罪者になり、陰口という制裁を受ける。例えそれがトランプの神経衰弱のようなハプニングであったとしても許されない。
    学校、そこは神経を尖らせたナイーブな裁判官達と仲良くする場所。誰かは誰かの共依存者。
    私は彼女がびくびくする様を、見ない振りしてあげることなく、真正面から真顔で眺め続けました。
    しかし空気を読みながら微笑んで、彼女の計算には気付いていない振りをしました。
    私も、当時は誰からも良く思われようと全力を尽くしていた兵隊の一人だったからです。
    続けます。

    • ぴよよ
    • 2009年 11月 19日

    続きます。
    大人になって、発達障害を知り、もう一つ増えた視点は、逆境を乗り越える技術だけでも世の中は渡っていけないものであるということ。
    (彼女が逆境で身に付けてきた生き方なのかどうかは分かりませんが。)
    平和な環境に適応する技術を身に付け忘れても、困る場面はあるものなのです。
    彼女は頭がいいので、たぶん今でも忙しい生き方を選びながらしているのでしょう。
    異性に興味の無い振りをしていましたが、あったらしいので、きっと結婚し、多くの人の目線を敏感に意識しながら子育てを出来ているのでしょう。私には逆立ちしても出来ない生き方です。

    • jumi
    • 2010年 4月 22日

    >逆に、恵まれすぎている環境ではジャイアンは「丸投げてきな依存性」のためにどんどん何も出来なくなってしまう。
     代わりにやってくれて自分が責任を負わなくて良いような場合はジャイアンはどこまでも責任を丸投げして考えず、動けず、典型的には家事も何もしなくなる。
    ————————————————————–
    そんなぁ・・・信じたくありませんが、今そうなりかけています。
    逆境なんて嫌よ、、、と思うけど。。
    「恵まれすぎている環境」に変わった当初は(変化があって刺激的で)よかったんですが、それが日常と化してしまうと、モチベーションがなくなる感じ。。。 そして「なんでこんなに恵まれてるのに幸せって思えないんだ自分!人としておかしいぞ自分!」って。
    よかれ思って実現した結果、自分を苦しめています。。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP