ADHD関連

コーチング②追補ADHDの可能性

 これまで自己コーチングについて書いてきた。「生き方の選択」を書いてみて、一つ思いついたので「追補」として書いておこう。それは可能性についてである。

<ADHDの可能性>

 ADHDはADHDの特性を活かして、多数派に出来ないことを成し遂げる可能性を持っている。

1.過集中による一人の作業の単発的な驚異的スピード、能率、質の高さ (研究者など)

2.先入観に捉われない豊富なアイディア、発想の広がり、豊かさ (アーチストの他にもさまざま)

3.「表裏の無い正直さ」「常識に捉われない自由さ」を活かして、弱者、懐疑的な人、世間で理解されにくい人、社会で受け入れられ難い人へのサポートが出来る (非行ケースや犯罪者の更正、人格障害のケア等さまざま)

4.移動や不確実性、危険を苦にしないことを活かした社会参加 (冒険家など)

5.利害を超えた正義感を活かして、強い力を持った組織などの不正をを監視する社会的立場

6.その他何でも「損得抜きの常識的以上のエネルギーを要する作業」全てに使える可能性がある

7.どんな苦境に立っても前向きに現実的に解決策を考え続ける特性を活かして、相談業務や人の回復を支援する役割が出来る。(医療や福祉の場での相談、支援者、ケースワーカーなど)

 ADHDの特性をプラスに活かすと多数派には出来ないことが幾つもある。この可能性を想定することは、生き方を選択する際に必要であることに気がついた。

 


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コメント

    • ALIVE
    • 2006年 11月 29日

    こんにちは。
    自己コーチングは、多数派世界観察と同時に、自分の資質をどのように生かせるかを
    観察しないと、自己コーチングとしては、成立しないですよね。
    常に複眼的視点で対応していかないと、結局あの多数派世界との、どうしようもない
    距離感に翻弄されるだけで終わってしまう可能性があります。
    ASからみるとADHDの人の多くは、多数派世界には無い「圧倒的な正直さ」をもっているし
    本当の意味での「一対一の平等性」をもっています。ゆえに、多数派世界にある
    「世間体」という文化からは遠く離れており、「人間としての裏表の無さ」をもっているし
    「駆け引きを要求しない人間性」をもっていると思います。これらは、すばらしいことです。
    (それゆえに多数派世界では生き辛いと思いますが・・・)
    結局、自己コーチングの行き着く先は、サポータの手を借りながらも、最終的には
    「自分」で自分をはげまさなければならないし、「自分」で自分のプラス面を見つけ
    出さないとならないのではないかなと感じます。
    同時に自己コーチングは自身の原点探しの要素もあるなと、思います。

    • リセット
    • 2006年 11月 29日

    YANBARU先生が記載した中に十数年前から「将来私は…」と考えている事が有ります。今までは日々の生活に追われ、身体症状に悩まされながらその方面に進む事は不可能かと思ったりもしましたが、諦めてはいませんでした。
    現在リセット中である私は、いくつかの課題をクリアした後、その道へ進む事を決めてています。しかし、クリアすべき課題に対して集中できる時と全然集中できない時と両極端な日々を過ごしているのが現実。
    でも私は、願いは叶うと信じ、決めた事は成し遂げるという気合いと気力で、過集中と虚脱を繰り返しながらも、自分の決めたこれからの人生を極めるべく、前に進む事でしょう。

    • yurin
    • 2006年 11月 29日

    先生のこの記事で、一つ決心したことがあります。
    たぶん、今考えているこの行動は、私の偏屈ぶりを皆に明らかにさせることになるでしょう。
    前の記事『生き方の選択』に私の書いたことと関係しますが、
    私は思いきって次の役員会までに、今の部長の決定の仕方に異議を投じてみようと思います。
    つまり
    『部長など大事な役割をくじ引きできめるのはおかしいし、
    引いたら有無を言わさず強制的に引きうけることが暗黙のルールになってる、という事実もおかしい』と。
    もっと他によい決め方がないものか、
    皆が納得できるやり方がないものか、
    話し合ってから決めたって遅くはないはずだ、と。
    皆が引きうけたがらないからといって『くじ引き』という、
    いかにも公平に見える手段を使い『公平にみんなで納得の上決めました』と言うのだろうが、運良く?外れた人はともかく当たった人にしてみれば『無理やり押しつけられた』と同じ事だろう。
    恐らく、こういう役割は私以外にはできないだろうし、
    この1件で私が更に嫌いになる人も増えることも覚悟の上で。
    ・・・・・
    どう頑張っても偏屈は偏屈なので、
    下手に隠すよりは堂々と出すほうが潔くて、ADHD的には納得できる生き方ですね。

    • あい
    • 2006年 11月 29日

    こんにちは。以前は、どうしてみんなあの人を簡単に許せるんだろう?とか、どうして表面的に仲良くできるのだろう?と不思議でしかたがありませんでした。ADHDの診断を受け、自分が、少数派であることがわかり、今までのいろいろな不思議に納得が行きました。今日も、先生の文章を読んで、自分を自覚するとともに、気持が楽になりました。ありがとうございました。

    • いずみん
    • 2006年 11月 30日

    こんにちは。
    先生がADHDの「可能性」について書いておられますので、ネガティブな話ですが、「適性のない仕事、職場」について、自分の経験から書いてみます。
    1)ミスの許されない仕事、減点主義の職場
    ADHD、といって悪ければ自分の場合、仕事のスタイルがバクチ風というか、納期や質の点でハイリスク/ハイリターン型ですので、失敗すると大変なことになるような仕事や、「うまくできて当たり前、できなきゃ減点」という雰囲気の職場では能力を評価されにくいと思います。
    2)同調圧力が強い、協調性を重視する職場
    「雰囲気を読めない」ADHDが思ったことをそのまま言うと、気まずくなるような職場です。会議で議論になったあと、関係ないところでも恨みがましい目つきを向けてくるような人がいるところは危険。
    3)心理的駆け引きを多用する仕事、職場
    対顧客、あるいは組織内どちらでも、相手の言葉尻を捕らえたり、裏を読んだり、かまをかけたりといった駆け引きを必要とする仕事では、圧倒的に不利な立場になりがちです。
    4)納期、クオリティが厳密に決められた仕事
    1)と関連しますが、ADHDの先延ばし傾向が出てしまうとまずいことになる仕事です。ただしこれについては、本人が意識してスケジューリングしたり、リマインダーを活用することで解決できる可能性も高いと思います。
    ほかにもありそうですが、さしあたり思いつくものを挙げてみました。
    うーん、こうしてみると今の仕事(というか職場)はどうも自分に合ってないような……。どうりでよく叱られると思った^^;

    • koronn
    • 2007年 3月 07日

     振り返れば、社会に出て試行錯誤の何年か経て、気がつくと、仕事は心の糧という今の状況に至ったのですが、先生の仰るとおりの道を見出してきたように思います。
     
     私の仕事は他業種にわたります・・・
     人並み外れて律儀?なのか、一端就いた仕事は辞めれない傾向が強いことも、マルチな職種を抱える一因かもしれません。
     ただ、ふしぎに思うことには、私は、先のコメントにある適正の無い仕事or職場に堂々と存在しています。
     1)ミスの許されない、減点主義の職場
     殆ど絶対的にミスの許されない仕事をしています。
    本来の自分を考えると、人の評価より、自分の評価の方が厳しいので、人の評価は気にならない。
    万が一ミスした時の自分の落ち込みの方が恐ろしいのでミスはしない。
     2)同調圧力が強い、協調性を重視する職場
     同感能力は低いけれど、共感能力は高い。
    故に、協調性は、一時的に欠くことがあっても、通常の協調性は高く、どちらかというと脳天気・天然と受け取られている。
    ただ、AS的執着のある人に遭遇すると、確かに、異常に同感を強いられたり、自分が記憶していないような些細事で、びっくりするような嫌がらせを受けることはあります。
    3)心理的駆け引きを多用する仕事、職場
     自分は職務信念を持っているので、上辺の駆け引きや心理の綾は気にしません。相手を信じている自分を信じているという自分の信念の方が強く、信念で仕事をします。
    4)納期、クオリティが厳密に決められた仕事
     確かに苦手です。納期が近づくと先延ばし現象で、とても不機嫌になる傾向は今もあります(今もその真っ只中で、私の周囲のにいる方々には大変迷惑をかけて申し訳なく情けなく思っている最中です。なのに、こんなコメント書いてる自分がいるという自己矛盾)
     ただし、決定的な納期は絶対に外さない。クオリティは落とさない。
     なぜならば、プロというのは、その職に立つ以上は、自分が病気であろうが、親が死んだ翌日であろうが、はたまた強盗に脅された直後でも、80点以上の仕事が出来る事だ!と学習したからです。
     ADHDの持っている弱点は後天的なトレーニングによって、かなりの部分は長所に変えられると、私は、感じています。

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