AC、人格障害関連

人格障害と診断されたら②

 人格障害と診断されたら② -- 徹底的に本当のことを言い続ける。

 本人が人格障害と診断されて自分で回復しようとしていないときの家族の接し方のポイントの第2は「本当のことを言い続ける」ことだ。

 人格障害の人は、誤魔化したり気を使ったりするあいまいさの中に付け入ることに長けている。相手が不利になるような言い方をして、反論できないようにして自分の要求を通す。そういうスタイルの一番成り立ちにくい対応が、「本当のことをあっさり言う」ことだ。

 例えば私は「リストカットは18歳まで」と言ったりする。大人になってそんな真似をして恥ずかしくないか!とあっさり言ってしまえば、実はダメージも少ない。親ならばひっぱたくと言う方法もある。「子供が自分を傷つけて親がどれだけ苦しいか分かるか!」くらい言ってひっぱたかれればかえってすっきりすると私は考える。

 逆に、最悪の対応は、「腫れ物にさわる」ような対応だ。「本人の顔色を伺いながら、少しでも本人が荒っぽいことをしようとするとすぐに対応が甘くなる」という対応をすると、「結局あんたたちは自分が暴れなければなんでもいいのか?」とますます暴れなくてはいけなくなる。

 「あんたそんなことをしていたらみんな離れていくに決まっている」くらいにあっさり何でも本当のことを言い続けて、たまに本当に良いところを見つけて誉めると、効果絶大だ。「最悪の時と比べれば随分良くなったね」と大げさに喜んであげよう。本当のことを言っていればこそ、この誉めることが本人を前向きにする。

 http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/

 


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コメント

    • 田舎猫
    • 2006年 9月 30日

    人格障害に対する具体的な対処法はとても貴重だと思います。
    是非参考にさせて頂きたいと思います。

    • 匿名
    • 2006年 10月 08日

    田舎猫様
     「発達障害は人格障害を治せる」という面白い真実があり、発達障害者(特にADHD)が正直に接し続けると確実に回復します。
     普通の人は人格障害の人と関わると振り回されて、その結果不快な感情を抱き、それが本人にも伝わって、悪化させる結果になります。
     対して「ADHDは情緒的に振り回されない」ことと、「表裏の無い真実の善意で関わる」ということ、ついでに「言葉で言わないと分からないこと」が結果として非常に有効に働きます。
     面白い事実ですが、私の経験の中から分かったことです。
     http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/
     

    • 2006年 10月 13日

    私は適応障害、境界例との診断で、2週に一度の頻度で通院しています。
    1年ほど前より主治医が、私の容姿から推測した生活振りや発言の中の歪んだ認知をズバズバ指摘するので(自立支援法の為の申請書で認知療法というのをやっているのだとわかりました)、びっくりしたり傷付いたり、通院するとひどく疲れるようになってしまいました。HPの正直療法の項も拝見したのですが、私にはニヤッとするのは無理です。
    抑うつがきっかけで5年も診察していただいている医師ですが、今更「私は先生の言葉で落ち込んで帰るんですけど、これは何か生みますか?」と聞いて善いのかどうか本当に悩んでいます。
    診察室に入るとなんだか、ヒヤヒヤして胃が縮こまるような感じがして、この質問をするのも命がけのような気分です(また何か考え違いを指摘されるんじゃないかと)。
    この記事を読んで思い浮かんだことだったのですが、本文とは遠くなってしまったような気がします、すみません。

    • 匿名
    • 2006年 10月 14日

    ゆ様
     本当のことを言う治療の場合、そういう治療をすること、その目的や治療効果なども率直に説明する必要があります。
    診断書を見なければ治療方針が分からないのは主治医の説明不十分であると思います。ただあなたのほうも質問しましょう。
     あなたはお金を払って治療に行っているのですから、主治医に不当に合わせる必要はありません。あなたがお書きになっているとおり、「この治療でどう良くなるか?」を率直に聞ければ、逆説的ですがこの治療は成功です。あなたも回復したいという気持ちがあって、また他の医者に行くのでなければ、ビシバシ質問したり主治医への不満も言ってしまいましょう。
     その質問をここに書かれること自体、あなたの主治医の治療はうまく行っているようにも思います。
     http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/
     

    • ぽんこ
    • 2006年 10月 17日

    ゆ様
     全くYANBARU先生のおっしゃるとうりです。
     私は薬剤師と言う仕事柄、日常業務で精神科の患者様とお話する機会が多くありますが、皆さんとても遠慮がちです。
    なるべく具体的に、どんなときにどのように辛いのか、どのように眠れないのかなど、話していただくと治療の早道だと思います。次回診察までに思い浮かんだことをメモして渡すなどの方法もあります。
    そしてそれを受け入れてくれず、治療方針を押し付けてくる医師はスイッチして良いのでは?と思ってしまいます。(ちょっと乱暴ですか???)
    辛くて良くなりたいのは、治療を受けるのは、ご自身なのですから。
     
     患者様も心が通ってくると、私たち薬局薬剤師に対してもいろいろな本音を話してくださいます。いつも処方と話が食い違っていると、見当違いな薬なのか、それとも医師の経験上の使い方があるのか・・・もしくはうまく気持ちが伝わっていないのかな、とか、日々研究の毎日です。
     やはりずっといらしていただいてあまり改善されていないと心配です。願わくば、皆様が思うことを何でもお話できて、「最低限薬は必要だけど安定した生活が送れる」ようになればと思っています。
     そして、発達障害に関しては私はほとんどアマですが、薬をお出ししていて、これはもしや・・・と言う方は(失礼ながら)いらっしゃいます。一般精神科医師にもっと発達障害の認知が広がればなぁ・・・とも。
    ゆ様
    胃が縮こまるような気持ち、お察しいたします。
    ゆっくりでもあなたさまの想いが医師に伝わりますように。
    ご自愛ください。

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