9.ACの認知の修正

AC(アダルトチルドレン)として治療に引っ張り込んだ後は、行動化には取り合わず、認知に重点置いたケアに徹する。

行動化に振り回されないというところが大事だ。自傷しようがOD(大量服薬)しようが方針は一切変更せず、家計図とアルバムの振り返りを行い、徹頭徹尾「事実関係を客観的に振り返る」ことを続ける。

行動化したときには、淡々と事実関係を聞き、この薬は死ぬ可能性がある等の客観的な説明をしておく。

この過程で、事実関係(親との関係やトラウマとなった体験など)への直面化を進めるうちに、「直視しても大丈夫」と不安が消えていき、問題が明確に自覚され、ついには言語化されるようになると回復は近い。

このプロセスに立ち会うスタッフに、実はADHDが向いている。

私もそうだし、例えば心理士でも、施設の職員でも、相談員でも、適切な距離にADHDがいて、冷静かつ粘り強く話を聞き続けると、ACの認知は修正され、見捨てられ不安は消失し、行動化は治まる。

 

 こうしてAC、実は境界性人格障害の一部は治りうる。このプロセスに人格障害という言葉も不要で、ACで十分である。

 だから最後まで人格障害と呼ばなくても回復する実際は人格障害の人が居るのだ。

 

 


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