8.ACという考え方

AC(アダルトチルドレン)とは診断名ではなく、幼少期の環境などから「見捨てられ不安」が強く、自己評価が低くなり、結果「認知のゆがみ」が生じた状態を言い、

「本当のことを言ったら見捨てられる」「言ってやってもらっても駄目」「自分の問題と人の問題の区別が難しい」などの特徴がある。

 

 私の理解では、「(境界性)人格障害」とは、見捨てられ不安があり、自傷や周囲の人を振り回す行動化のいくつかの特徴に当てはまった場合の分類表上の名前で、

「どのようにして出来たか」などの病理の説明と無関係な単なる分類上の定義に過ぎない診断名であり、治療にはほとんど役に立たない。

 

 むしろ実際上は「ACの見捨てられ不安と認知のゆがみによって行動化が激しくなった状態」として考えて、行動化よりもACの認知のゆがみに焦点を当てた治療が有効である。

  また本人に「人格障害」と告知することは実際上困難だが、ACであれば本人も比較的了解しやすい。

ACとしての理解から、認知を主に修正する形のカウンセリングに導入することが、現実的な境界例などのケアである。

 


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