5.AS(アスペルガー症候群)で無いか確認する

「重ね着症候群」として知られているが、人格障害の診断がついた人の生活歴を詳しく聞くと、

アスペルガー症候群であったというケースが意外に多くある。

 

私の診ているケースでは、もともとASの診断がついた人で、愛着の相手に対する態度が、

直接相手には言葉で言わないで周囲の人にだけ「分かってくれない」等と悪く言ったり、依存的でストーカーのようになったりするケースがある。

成人ASについて詳しく調べた結果、「成人ASは、殊に愛着の対象の相手には、愛着ゆえに境界性人格障害そっくりの態度をとる」ことが分かってきた。

別に「重ね着」するまでもなく、「そのままで人格障害様」なのだ。

 別のケースでは、「行政や相談機関にクレームをつけ続ける問題人物」という人が実はASだった。

本人は話をきちんと聞いてくれないことにただ納得が行かないだけで、AS故に徹底的に食い下がることにより、不幸な誤解をされてしまった。

 ASは人格障害とは全く異なるケアを必要とする。

ASの人は時間をかけて話を聞けば納得可能であり、人を振り回そうとしているわけではない。その特殊な表現方法ゆえに発達障害が誤解されてひどい目にあう典型的なケースだ。

 


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