4.薬剤の影響でないことを確認する

私は数ケース、薬剤性で人格障害様の脱抑制行動になっているのを見たことがある。

ひとつは「抗うつ薬による躁転」と呼ばれる現象で、うつの薬が効きすぎて躁状態になる場合。

他には「抗不安薬による軽度意識レベル低下時の脱抑制」というのもある。特に眠剤や抗不安薬とアルコールの併用で記憶が飛んだり、暴れたり、子供のようにやんちゃを言ったりする様になる事があり、これも表面上人格障害のように見える。

 

また薬物依存の場合に、ブロンやウッドと呼ばれる薬剤を大量に乱用したときに人格障害様の行動が現れる。

これらはいずれも、「特定の薬を使ってから」という時間的前後関係がはっきりしているので、薬剤の影響を疑いさえすれば除外できる。

特に抗不安薬とアルコールの併用のケースは、薬やアルコール自体は比較的少量でも併用で「ラリッた」状態になりやすいので、処方する時に注意が必要だ。

 

 1.に述べた人格障害様の行動化を見たときに、薬剤の影響はルーチンで除外するべきである。

 


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