2.思春期は一過性と考えて

定義上も「人格障害」は18歳以上であるが、臨床的にも思春期の延長上にある人格障害様の行動化は、一過性で時間の経過とともに親から自立、成長して自然軽快することが多い。

 

特に、支配的な親に逆らえず、自己主張を抑えて優等生を演じてきた思春期の子はいざ自己主張を始めると派手に暴れる。

幼児のように退行したり、自傷したり、暴れたり、親のせいでこうなった等の暴言を吐いたりする。

 

 しかしこういうケースは「(支配的な)親から自立するための一時的なプロセス」であることが多く、対応を間違えなければ時期が来れば「卒業」する。

 

 私の対応は、じっくり話を聞いた上で、「あなたが自分の気持ちを抑えないで外に出していることは非常にいいことだ」と評価し、「でもこの(行動化の)表現は自分を不利にするからやめよう」「きちんと言葉で反論できるようになろう」と反論の言語的方法を相談したりする。

 

 ここで「腫れ物にさわる」ような対応をすると、周囲の愛情を試すパターンが遷延化して、それが固定したときに境界例となるとも思う。親も関係者も逃げないで正面からぶつかってあげることが大事だ。


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